波乱の幕開けとなったが

2019年01月08日(火)

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総合投資情報サイトIPOジャパンメールマガジン <第49号>

発行:2019年01月08日
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【1】Market Eye:「波乱の幕開けとなったが」
   IPOジャパン編集長 西堀敬
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皆様、新年明けましておめでとうございます。

早速ですが、株式市場は昨年末からの流れを止めることができず、波乱の幕開けとなりました。

このまま株式市場は沈んでしまうのか、それとも、復活していくのか、非常に判断に迷うところです。

私の直感では、株式市場はいったんは回復すると考えています。

今回の株式市場の崩れは、世界景気の減速懸念から来ていると言えると思います。

特に中国の景気減速が著しいのではないか?との懸念が世界経済に及ぼす影響が大きいとの見方が世界株安につながっているのではないでしょうか。

もし、そうだとしたら、この先の株式市場は相当厳しいとみるべきだろうと思います。

では、過去の株式市場の大きな下落がなぜ起こったのかを振り返ってみましょう。

1989年に高値をつけた日経平均株価は1990年年初から下落が始まりました。 
1980年代後半の日本株ははっきり言ってバブルだったと言えます。
株価の評価尺度であるPERの平均値は100倍近くまで上昇していました。
また、銀行の不動産融資が緩く、土地バブルも起こっていました。
それが、当局の銀行に対する不動産融資の総量規制で一気に土地担保融資が縮小したのです。
そこからネガティブスパイラルが起こり、バブルははじけました。

次は2000年のネットバブルの崩壊ですが、実は日本においてはネットバブル崩壊で日経平均株価が大きく崩れたのではなく、10年前のバブルの崩壊の後始末処理で、日本の金融機関の再編が起こり、日本の金融機能が著しく低下したことにあります。

言葉を換えれば、金融機関の持つ不良債権の処理が行われて、日本が叩き売られたのです。

そして10年前のリーマンショックですが、こちらも米国発の金融機関の機能不全が起こったことで、金融市場がシュリンクしてしまったのです。

このように見ていきますと、金融機能が低下して、経済の血液であるお金の流れが止まったときに市場が崩壊しています。

では、今はどうかと言えば、少なくとも、日米欧の主要国の金融機関は機能不全に陥っていないと言えます。

よって、私は、現状の株式市場は悲観が行き過ぎているだけで、このまま株式市場が奈落の底に落ちることはないと考えるわけです。

ただ、見落としているところがあるとすると、それは中国経済です。

ここ10年間で大きく変わったのは、中国の経済規模が日本を追い抜き、日本の2.6倍にまで成長したことです。
10年前は、世界経済はG7各国で物事を考えていれば事は足りたのですが、いまは、中国抜きには考えられないというか、G7のすべての経済規模の3割程度を占めるまで大きくなってきました。

もし、この中国の経済が本当に大減速となって、仮に成長が一時的でも失速するようなことが起これば、金融発ではない形で市場の崩壊に繋がるかもしれません。

それが市場で顕在化するのはいつなのか?誰も知る由はないのですが、その日が来ないと考えるのは早計で、今回の市場の急落はいつの日か必ず来ることを暗示していると考えておくべきだと思います。

最後に、今年のIPOですが、件数はかなり減少するのではないでしょうか?  
1月に予定されていたIPOがすでに延期になったように聞いております。
嵐が収まれば、またIPOが増えるかもしれませんが、VC(ベンチャーキャピタル)が入っているようなIT系のベンチャー企業は未公開の時点で、バリュエーションの高い株価で資金調達していることもあって、この環境ではVCがイグジットできない可能性が高いといえます。

市場関係者の皆さんからすると水を差すようなことは言わないで欲しいと言われるかもしれませんが、私の予想するIPOの社数は大目に見て60-70社です。

市場環境が良くないときにデビューするIPO企業のほうが、株価の発射台が低いと言えますので、じっくりとビジネスモデルを見極めて株価が落ち着いたところで、長期保有を前提に投資されることをお勧めしたいと思います。

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