Market Eye

記事一覧
次の記事
 

株主還元

2026年08月20日(木)

株主還元がとても重要な時代がやってきている。



東証の資本コストを意識した経営が前面に出てきた。



資本コストを意識した経営とはなにか?



端的にいえば、企業が株主から預かってる株主資本に対するリターンを上げること、つまりROEを上げることにあると言える。



東証の市場改革の中には、株価がPBR1倍以上にすることも含まれている。



日本株がこの数年間買われてきた背景には、ROEを上げて、PBRを上げて行く企業努力が実を結んできたといえる。



そんな中にあって、投資家にとっては、株価上昇でキャピタルゲインを得られるのは良いことだが、株を長期保有するインセンティブとなるのは、株主還元である。



株主還元と言えば、まずは配当、次に自社株買い、そして株主優待となる。



配当は、現金を株主に支払うこと、シニアにとっては、年金のように年2回配当を受け取れるなら、長期保有となろう。



インフレで株価が上がるだけではなく、企業利益も増えて、配当性向が変わらなければ、配当実額はどんどん増えていくことになるので、安定的な配当を出す企業の株式は一度買ったらホールドで臨むべきだろう。



自社株買いは、市場で流通する株式数を減らすことになる。 つまり、投資家が買える株数が少なくなること。 



ある銘柄の売買代金が同じなら、流通株が少なくなれば、それだけ需給がタイトなり、株価は上がりやすくなる。



また、株数が減るということは、一株当たりの利益、EPSが上がることになる。



PERが同じあれば、EPSが上がれば、株価は掛け算で上がることになる。



企業が市場介入して株価を上げることができる唯一の手段でもある。



最後に株主優待、株主に自社製品やサービスを無償、あるいは割安で提供する企業が多いが、中にはカタログギフトなどを提供する企業もある。



一時的に株価を上げるのによく使われるのは、クオカードを配ることがあるが、実はクオカードを配っている企業がやりたいことは株主を増やすこと、配当の変形のように、半年ごとに500円とか1000円とか金券が送られて来れば、長期保有に繋がる。



だが、ある程度目的を達成すると、ある日突然クオカードを止めてしまう企業がほとんどなので、これを当てにして長期保有を決め込むと梯子をはずされることがあるので要注意だ。



東証の市場改革のお陰で、企業の株主還元率は高くなってきてることから、株式投資は賭け事のように、上がる、下がる、ではなくて、長期の資産運用のひとつになってきたように思える。



個人投資家の皆さんは、売買で儲けるのではなく、インフレ時代においては、長期保有を念頭に置いて投資する銘柄を円託すべきだろう。





#資産運用
#株主優待
#長期保有
#クオカード
#シニア
#株主還元
#配当
#自社株買い
#ROE
#PBR

記事一覧
次の記事
 

プロフィール

西堀敬(にしぼりたかし)

西堀敬(にしぼりたかし)

IPOジャパン編集長
(株)日本ビジネスイノベーション代表取締役
日本テクニカルアナリスト協会検定会員

1960年滋賀県生まれ。大阪市立大学商学部卒。和光証券(現、みずほ証券)の国際部、ウェザーニューズ財務部長、米国系Eコマース会社の日本法人 CFO&COO、IRコンサルティング会社取締役を経て、2011年より現職。上場会社の社外取締役を複数兼務する。
また、2002年より東京IPO編集長、2015年12月よりIPO No.1サイト『IPO Japan』を監修、編集長に就任。TV出演や経済誌への執筆、セミナーや講演会などIPOの第一人者として市場の啓蒙・発展に尽力している。

著書に『改訂版 IPO投資の基本と儲け方ズバリ!』(すばる舎)、『IPO株の本当の儲け方』(ソフトバンククリエイティブ)。


最新の記事一覧