12月のIPOは多くなりそう
2020年11月13日(金)
毎年12月になるとIPOの社数が増えるが、今年も例年通り増えそうだ。
市場関係者によると、20社以上は間違いなくIPOしそうで、今年最後のIPOは12月28日になると言われている。
ここまでのIPOを振り返ると初値騰落率が145.68%と凄いことになっている。
また初値が付いた日の初値と高値の騰落率は約10%となんでもいいから初値を買ってすぐに売れば儲かる地合いが続いている。
では、12月に出て来るIPO銘柄も同じように、公募・売出しで買えなかったら、初値でも買うか!と考えていいだろうか。
先に出した、初値騰落率145.68%、初値と高値の騰落率10%はあくまでも平均値であって、すべての銘柄が同じような結果が出ているわけではなく。
初値騰落率においては、̠▲20%超の銘柄が5社もあった。
なんでもいいから公募・売出し玉は買うべき、は通用しないこともあるということだ。
もちろん、マーケットの地合いというものある。
コロナ禍で緊急事態宣言が出る直前が地合いが最も悪かったのは言うまでもなく、そんなときは、IPOであれPOであれ手掛けるべきではない。
様子見、とはこんなときに持ってこいの言葉である。
では、この12月はどうだろうか。
まず、相場の地合いを考えると、2年前のような環境にはならないと考えるが、世界的に株式市場は3月に底打ちして、約8カ月間右肩上がりの上昇となっている。
この右肩上がりがまだまだ続くと考えるのは早計ではないだろうか。
昨日開示された投資主体別売買動向で先週は外国人投資家が大きく買い越している。
そして、おそらく、昨日までの今週の4連騰も外国人投資家が演出したとみるのが妥当だろう。
そして、このまま外国人投資家は買い続けるのだろうか?と考えると、正直なところ、株を枕に寝正月、とは行かないのが外国人投資家である。
海外ではカレンダーイヤーで決算をする企業がほとんどで、ファンド、トレーダーともにそろそろ今年の成果を確定したいタイミングに来ているはずだ。
12月も中旬になるとクリスマス休暇を取るのが習慣になっており、今年はパフォーマンスよ良い年になった運用者、トレーダーが多いはずなので、もし、年末に荒れるような展開になって、ここまでの成果が飛ぶようなことはしたくないはず、と考えれば、売り買いともに、11月末から12月上旬までということになる。
とすれば、株式市場がここから大きく買い上げられて、例えば、日経平均株価が年末に2万7000円とかまで行くとは考えずらい、むしろ、ここまで溜め込んだ含み益を一部(もしくは全部)確定して、期末のボーナスを待つだけにしたいはずだ。
なので、市場が大きく下落するとは考えなくても、上昇トレンドは一服すると考えるのが筋というものだろう。
そんな中で、日本におけるIPO株投資にどう臨むかということではないか。
おそらく、株価指数を動かす大型株の売買は手控えられ、小型株、中でのIPO株に資金が流れ込んでくるのではないかと考える。
それも株価のボラティリティが高くなる銘柄ほど資金流入が多くなるはずだ。
IPO株で言えば、公募・売り出しの総額が10億円未満となる銘柄あたりが動きが激しくなりそうだ。
マザーズで情報通信に属するような銘柄で資金吸収額が10億円未満であれば、初値の位置に関係なく、ボラティリティは高くなるはずだ。
デイトレの皆さんはこの辺りに狙いを定めて売買した方が良いと言える。
ちょっと中長期のセカンダリー狙いの投資家は、上場後1か月以上の期間をおいて、いったん過熱感がなくなって、どう考えても、公募売り出しで買った人で売りたい人は売りつくしたタイミングを見計らって、四半期開示で業績を確認してから買い出動するべきだ。
私が何度も書いているように、上場して1年以内は業績が上振れしやすので、業績予想の進捗率や修正などで見直し買いが入りやすくなっていることを念頭においていただきたい。
つらつらと長く書いたが、12月のIPO市場、活況となるはずなので、お時間のある投資家の皆さんはデイトレにも勤しんでいただきたいものです。