相場の先行き
2024年08月07日(水)
相場の先行きを占うために、過去を振り返り、外部環境が似通った場面を探して、今回も同様の動きになるのではないかとの解説が多い。
米国の逆イールードが解消されるとその後には景気が減速して株価は調整局面に入る。
急落から回復には相当の時間がかかる。
などなどあるが、今回の日本株の急落は過去の大きな急落と比較すると、経済の大枠では大きな違いがあるのではないか。
リーマンショックは、グローバルな金融不全に陥った。
コロナショックは、グローバルな経済不全に陥った。
では、今回はどうか、と考えると、金融不全でも経済不全でもない。
日本においては、わずかな金利の上昇。
米国においては、経済指標がやや悪化。
これを始まりの始まりと考えると、この先は、日本は利上げ継続、米国はリセッションで急速な利下げに動くと見たことで、ドル円のキャリートレードの巻き戻しが起こったと言える。
ドル円は安値から20円の円高、日経平均株価は1000円を超す大幅調整となった。
この先も円高に振れることはあるかもしれないが、短期間に20円も動くことはそうそうないだろう。
また、株価もパニック売り的な状況は起こらないのではないか。
まさに想定外のことが重なった結果が月曜日の動きとなったに違いない。
じゃあ、この先はどうなるか・・・・
日本の利上げ観測は払しょくされず、米国の利上げは間違いなく起こる、と考えると、ドル円はさほど円安にはならず、株価もある程度は戻りを試すが、年初来の高値を年内にとることは考えずらい。
むしろ、この2週間に起こったことの再来を念頭に置いておくほうがよさそうだ。
個人的な観測では、ここから1年くらいの間に大幅な調整がありそうな気がしている。
たとえるなら、今回はパリバショック、本格下落はリーマンショック、その時差は1年1カ月だった。
今回のことはこの先のなんらかの大きな調整を暗示していると考えたほうが良いだろう。
リスクに身構えることと同時に、急落後に投資できるだけの準備をしておきたいものである。