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インフレ=成長ではないか

2025年07月03日(木)

梅雨明けにもなってないにもかかわらず、先週から真夏のような天気が続いている。

夏は暑いもうが、夏ものが売れて良い、と言われるが、こうも暑いと、エアコンつけて自宅に籠る人が多くなるので、電気代がかさむだけで、買い物に出かける気にもならないのではないか。

電気代がかさむと言えば、日経の記事にもあるように、電気の消費量がうなぎ上りなのは、家庭での電力消費量が増えるからではない。

半導体工場、データセンターが半端なく電力を消費している。

三重県にある半導体工場の電力消費量は、工場のある市全体の消費量に匹敵するらしい。

このさき、その半導体工場が設備投資を続ければ、何年か後には、三重県全体の消費量に近づくとか・・・・。

我々が日々生成AIを使えば使うほど、データセンターの電力消費は増え続けるということのようだ。

便利な世の中になっていくのは良いが、家庭に電力が行き届かなくなるのも困るが、需給がタイトになれば、おのずと電気代も上がるはずだ。

物価高騰の折、減税、減税、と叫ぶ、二流政治家、いや、三流政治家達は、物価高騰の根を断つことをまったく考えずに、票だけを求めて耳に聞こえの良い「減税」連呼にはうんざりする。

私は、電力に限らず、日本は少子化がどんどん進み、人手不足こそが、インフレの根っこにあると考えている。

つまり、賃金は政治家が云々言わなくても、自然と上がり、諸物価に波及してくることで、インフレは収まらないということになる。

これまで、デフレ脱却が日本の成長につながると言っていた、デフレ脱却=インフレ持続、であることを忘れてしまったのか?

インフレが続けば、賃金もあがり、資産価値もあがる、NISA制度で毎月積立てする意味も出てくるというものだはないか。

いまは過渡期だから、インフレが敵みたいに見えるが、インフレがあって良かった、と思う日が来るのではないか。

一番困るのは、インフレが日本売りからやってくることだ。

円が売り込まれるようなことになれば、為替は極度の円安になり、円安で日本の輸出企業が儲かる、なんて言っている場合じゃなくなる。

ドル円が200円とかになれば、どうなるのか? 想像するだけで恐ろしいことになる。

もう海外旅行など行ける人はほとんどいなくなるのではないか。

極度のインフレにならないようにインフレをコントロールすることこそ、日銀の使命だろう。

でも、インフレ率が2%くらいはあってもまったく困らないのではないか。

むしろ、インフレあってこそ、日本経済は成長できると考えるべきではないだろうか。





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プロフィール

西堀敬(にしぼりたかし)

西堀敬(にしぼりたかし)

IPOジャパン編集長
(株)日本ビジネスイノベーション代表取締役
日本テクニカルアナリスト協会検定会員

1960年滋賀県生まれ。大阪市立大学商学部卒。和光証券(現、みずほ証券)の国際部、ウェザーニューズ財務部長、米国系Eコマース会社の日本法人 CFO&COO、IRコンサルティング会社取締役を経て、2011年より現職。上場会社の社外取締役を複数兼務する。
また、2002年より東京IPO編集長、2015年12月よりIPO No.1サイト『IPO Japan』を監修、編集長に就任。TV出演や経済誌への執筆、セミナーや講演会などIPOの第一人者として市場の啓蒙・発展に尽力している。

著書に『改訂版 IPO投資の基本と儲け方ズバリ!』(すばる舎)、『IPO株の本当の儲け方』(ソフトバンククリエイティブ)。


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