負け戦から10億円
2026年06月29日(月)
報道によると、キオクシアの社員約600人が、ストックオプションなどによって1人あたり10億円を超える未実現の価値を持つ状況になっています。
行使価格は1667円から2600円の範囲で、上場時の公募価格は1455円でしたが、その後の株価上昇で、年初来高値ベースでは大きな含み益が生じたとされています。
有価証券報告書を見ると、前期中に、6,728,880株が権利行使されているので、約半分のストックオプションは権利行使済となります。
現状の株価で売却したら平均で一人10億円の含み益となりますが、前期に権利行使された株数に関しては、おそらく売却されていると考えると、一株2万円前後だとしたら、いまの五分の一ですから、10億円まで儲けた人はほとんどいないと思われます。
ですが、まだ半分残っているので、逆に考えると、この先、業績が伸びて、株価がさらに上がれば、10億円どころではなくなる人もいるということになりそうです。
いずれにしても、他人の懐の話ですから、羨ましい、の一言ですが、キオクシアは東芝の事業の中ではお荷物だったのです。
2017年に東芝のメモリー事業部が独立し、東芝メモリ株式会社が設立されました。
翌2018年にベインキャピタルを中心とする企業連合による買収が完了し、東芝グループから独立。
2019年にキオクシアホールディングスになりました。
そして2024年12月に東京証券取引所プライム市場に株式上場。
現在の時価総額は50兆円ですが、ベインキャピタルが買収したときの価格は約2兆300万円でした。
上場時の公開価格時価総額は7843億円と完全なダウンラウンドIPOで、上場そのものは負け戦の上場でした。
ストックオプションの権利行使価格は1667円、初値1450円、権利行使したら損が出る株価での上場、社員もさぞがっかりしたことと思います。
上場後すぐに権利行使価格を株価が上回りましたので、社員も一息だったのではないでしょうか。
しばらく2000円台で株価が推移して、勢いずいたのは、昨年の秋以降です。
慌てて権利行使価格して売却した社員はさぞかし残念だったことと思いますが、ストックオプションは究極のボーナスですから、儲かって愚痴を言うたぐいのものではないと思います。
普通に仕事していて、こんな特別ボーナスがもらえるなんて、人生が狂う人がでなければいいなと思います。
この時代、退職金のない会社が多くなってきましたが、年老いて引退して老後資金としての退職金よりも、元気で若いころに、上々で、SOで大金を手に入れる、こちらを目指す若者が出てくれば、日本のベンチャー企業も活気づくと思います。
最後の最後に、ストックオプションの儲けは、株式譲渡益なので、たとえ億単位の利益が出たとしても、税率は、いまのところ、20.315%です。
この税率が魅力であることを頭に入れておきたいところです。
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