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円安を止めるには

2024年07月09日(火)

日経新聞の記事に、観光地の箱根では時給1,700円でも人が集まらないそうだ。

1,700円を米ドル換算すると約11ドル、5年前だと14ドル。 

この先、もっと円安が進むと、ドルベースの時給がもっと安くなるわけだ。

ホテル、旅館は、一泊二食付きだと人手が足りないので、半分は素泊まりというところもあるとか。

インバウンド効果で外国人観光客でにぎわう観光地だが、それを支える人が不足している。

かつて、単純労働は外国人労働者に頼っていたが、コロナ禍以降は円安となり、外国人にとって日本で働く意味がなくなってしまった。

それどころか、日本人が海外に出稼ぎに行くようになってしまっている。

お金を稼ぐなら海外は、仕事だけではなく、新NISA制度のもと、個人マネーにおいても毎月1兆円もの金額が外国株に流れている。

日本という国は、外国人が消費する場所になってしまった。

逆に日本人にとっては、海外旅行は高根の花、となってしまった。

今月末からパリでオリンピックが開催されるが、個人旅行で観戦するとなると、飛行機代、宿泊代、飲食代などで100万円では到底むりではないか。

ある旅行代理店の組んだツアーは300万円という話もあるが、大名旅行ではないはずだ。

少し話題は変わって、日本の人口動態を見ると、ここのところお亡くなりになる方の数が160万人、生まれてくる新生児が80万人、毎年80万人も日本の人口が減っている。

人が少なくなるということは、消費が減るということ。

その消費を補うのがインバウンドだろうが、働き手がいないとなると、インバウンドの受け入れにも限界があるということになる。

この日本、考えれば考えるほど厳しい現実が待ち構えている。

外国人が行きたい国で1番になるよりも、働きたい国で1番になれるようにしないと立ち行かなくなる。

少子高齢化の流れは止められないことはないかもしれにが、一朝一夕には難しい。

ならば、やはり、外国人が働きたい国にすることをもっと真剣に考えるべきではないか。

目指すとしたら、東洋のスイスではないか。

安心、安全はすでにある。

旅行するには円安もあって直良しということだが、そろそろこのあたりで円安を止めて、日本円という通貨に価値を持たせるべきではないか。

日本人の個人マネーも米株ばかり買うのではなくて、日本株を買わせる工夫が必要だろう。

そして、外国人も日本で消費するだけでなく、日本に金融資産を持って来たくなる、そんな仕組みが出来上がればベストだと考える。

日本が生き残るには、スイスのように観光と金融をもっと強化すべきではないだろうか。

いまは悪役のようになってしまった安倍首相がかつてBuy my Abenomicsと言っていたが、これこそがいまの円安を止める割くかもしれない。

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プロフィール

西堀敬(にしぼりたかし)

西堀敬(にしぼりたかし)

IPOジャパン編集長
(株)日本ビジネスイノベーション代表取締役
日本テクニカルアナリスト協会検定会員

1960年滋賀県生まれ。大阪市立大学商学部卒。和光証券(現、みずほ証券)の国際部、ウェザーニューズ財務部長、米国系Eコマース会社の日本法人 CFO&COO、IRコンサルティング会社取締役を経て、2011年より現職。上場会社の社外取締役を複数兼務する。
また、2002年より東京IPO編集長、2015年12月よりIPO No.1サイト『IPO Japan』を監修、編集長に就任。TV出演や経済誌への執筆、セミナーや講演会などIPOの第一人者として市場の啓蒙・発展に尽力している。

著書に『改訂版 IPO投資の基本と儲け方ズバリ!』(すばる舎)、『IPO株の本当の儲け方』(ソフトバンククリエイティブ)。


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