Market Eye

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夏枯れ相場か

2024年07月19日(金)

ここにきて株式市場にはアゲンストの風が吹き始めたようだ。

トランプ氏の狙撃事件で、もしトラ→ほぼトラ→確トラ、が一気に加速してきた。

民主党がバイデン氏に代わる候補を立てても、かなり厳しい結果となるのではないか。

こんな中、トランプ氏の発言が大きく株式市場に影を落としている。

半導体関連の銘柄が調整を続けているが、中国嫌いのトランプ氏、半導体の中国への輸出には影響が出てくることが懸念材料だが、防衛についても、資金負担しなければ台湾も守らない・・・とか言い出した。

また、ドル円もに日本政府のドル高阻止への強い意志の表れで160円くらいが防衛ラインだということがはっきりしてきたようだが、トランプ氏はドル安歓迎のスタンスだ。

日銀は利上げモード、FRBは利下げモード、円安に転機が来るかもしれないとの思惑が強くなり、しばらくは円安方向には強く振れそうにないのではないか。

株式市場を覆っている霧が晴れるには、日米通貨当局が市場の思惑通りに動き、米大統領選の方向性がはっきりしたうえで、企業業績がどうなるのかが見えてくることが条件になる。

とすると、この夏は様子見気分が続き、株式市場は弱含む場面が目立ち、力強い回復には時間を要するのではないか。

私の見立てでは、9月半頃が底で、そこからジワジワと戻す展開、中間決算発表で企業の業績予想が修正されて、11月上旬には米大統領が決まり、年末に向けて株高、という展開を考える。

だが、これは過去を踏襲する前提で、もし、半導体に陰りが出たり、ドル円が150円を大幅に割り込む円高になったりすれば、この構図は崩れるかもしれない。

そうなれば、年末にむけて日経平均株価は4万円を下回り、下値模索もあり得る。

上振れも、下振れも、どちらもあるとみておくべきだろう。

いずれにして、秋には方向性が出る。

それまでの夏場は、休むも相場、でいいのではないだろうか。


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プロフィール

西堀敬(にしぼりたかし)

西堀敬(にしぼりたかし)

IPOジャパン編集長
(株)日本ビジネスイノベーション代表取締役
日本テクニカルアナリスト協会検定会員

1960年滋賀県生まれ。大阪市立大学商学部卒。和光証券(現、みずほ証券)の国際部、ウェザーニューズ財務部長、米国系Eコマース会社の日本法人 CFO&COO、IRコンサルティング会社取締役を経て、2011年より現職。上場会社の社外取締役を複数兼務する。
また、2002年より東京IPO編集長、2015年12月よりIPO No.1サイト『IPO Japan』を監修、編集長に就任。TV出演や経済誌への執筆、セミナーや講演会などIPOの第一人者として市場の啓蒙・発展に尽力している。

著書に『改訂版 IPO投資の基本と儲け方ズバリ!』(すばる舎)、『IPO株の本当の儲け方』(ソフトバンククリエイティブ)。


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