IPO市場に異変あり
2016年04月04日(月)
桜の季節が本番となりました。
そんな季節なのに、先週発表された日銀短観の企業景況感は低い数字となりました。
それを受けて日経平均株価は大きく売り込まれました。
4月のIPOはいまのところ5社の予定ですが、この経済環境がどのように作用するのか心配になるところです。
2016年に入り、これまで23社がIPOしてきました。
初値を公開価格比でみると、16勝、6敗、1分けとなっております。 勝率が69%とアベノミクスが始まった2012年以降では最低の水準です。
一方の初値騰落率ですが、23社で47%とこちらも2012年以降最低水準です。
IPOは個人投資家が主戦場としている市場です。
勝率が下がり、初値騰落率も低下してきていることは、個人投資家が上場日に初値を追いかけるこいとが出来る資金が少なくなってきたのではないかと推測されます。
年初からの株安で、塩漬けになってる銘柄も多いはずです。 損切りしてまでキャッシュポジションを高める個人投資家はそうそういないはずです。
そして上場後のセカンダリーですが、23銘柄のうち、明らかに初値以上の株価で推移しているのは、4銘柄のみです。
初値を買った投資家はそのほとんどが負けていることになります。
そうなってくると、運良く公募株にありついた個人投資家の方は、とりあえず初値売りで臨むべきです。
その後、再び、IPO株に手を出すとすれば、四半期決算が出て、業績が順調である銘柄が大きく売り込まれていたら、その時に買い出動すべきだと考えます。
待てば海路の日和あり。
IPO銘柄に限らないですが、 いまの株式投資は、急がず、焦らず、このスタンスがなによりも大事です。