2018年が終わり、2019年が始まる
2018年12月31日(月)
2018年の株式市場を振り返りますと、1月末から市場が大きく崩れ、一時はどうなることかと思いましたが、年央から秋口にかけては戻り歩調で10月上旬には日経平均株価が高値を更新するまでに至りました。
その後は、皆様の記憶に強く刻まれている通りで、12月に至っては、月間の下げ幅が、リーマンショックの起こった2008年9月に近づくほどの大幅な下落に見舞われました。
そのあおりを受けて、IPO市場においても、上場初日に売り気配で終わるような銘柄まで出てきてしまいました。また、個人投資家には知名度抜群のレオスキャピタルワークスの上場が中止に追い込まれてしまいました。
私が企業業績を見ている限りにおいては、ほとんどの銘柄の株価が急落するほど、利益が減益になるような事態には陥っていないようなのですが、市場を取り巻く空気感が良くないのは事実だったと思います。
IPOの社数は年間で90社、初値騰落率は106%とプライマリーマーケットにおいては、ここ数年間の流れは変わっていないと言えます。
ただ、2019年を占うと、株式市場を覆う空気感は相変わらず重たくて、そうそう霧が晴れるようなことにはなりそうにありません。
日銀の金融緩和で、投資マネーはじゃぶじゃぶにだぶついていることもあって、IPOを目指すベンチャー企業には、あり得ないような株価で資金が流入しています。
最近はユニコーンを目指すベンチャー企業も多く、上場していないの企業価値が100億円を越えて、1000億円に迫る企業もでてきている次第です。 ですが、株式市場は現実(企業の利益)を見て株価は決まりますので、このような市場環境になると、夢を追うようなストーリーだけでは上場しても株価は付きにくいといえそうです。
そう考えると、2019年のIPOはかなり少なくなってくるのではないかと予想しますが、それだけ地に足の着いた企業だけがIPOしてくるとも言えますので、投資家にしてみれば、やや安心して投資できるような企業が多くなることは好ましいことだといえます。
10年に一度の西暦で最後に「9」の付く年の株価パフォーマンスはここのところずっとプラスであります。 来年は消費増税もあって、国内だけをみても試練の年になりそうですが、終わってみれば株価は年末高となるかもしれません。今年は例外的に年末安となりましたが、来年は通常の動きに戻るように期待しております。
亥年の相場格言は「固まる」です。 きっと1年後には良い年の瀬を迎えられることをお祈りしたいです。
それでは、皆様、良い新年をお迎えください。
IPOジャパン編集長 西堀敬