金融緩和の極致に
2020年04月28日(火)
昨日、日銀が追加の金融緩和策を決めました。
もはや金利を下げても意味がないので、市中にお金が回る策を打ち出しました。
国民全員に10万を配布することを始めとする追加予算が今週国会で承認されますが、これでお仕舞ではなく、次から次へと追加予算を決めないといけない事態になりそうです。
予算の原資は国債しかないので、その国債を無制限に購入する、というのが昨日日銀が決めたことです。
まさしく「禁じ手」に踏み込んでしまったと言えます。
もし、株価が下がったら、ETFの買い増しを決めるでしょう。 日銀のETFの簿価である日経平均株価で1万9000円台は死守したいとところだと言えます。
そこで、株式市場の先行きをどう見るか?
3月決算企業の開示が始まりました。
予想通りに3月決算の数字は下方修正ばかりです。 また、2021年3月期の業績予想を出さない(出せない)企業が続出しています。
まともに考えれば、決算発表が一巡すれば、日経平均株価の理論上のEPSが大幅に低下して、日経平均株価は割高ということになります。
ですが、もう一方で、リーマンショックの時のこと思い出すと、日経平均株価を構成する225銘柄の利益の総額がマイナスになってしまいました。
今朝、テレビ東京の番組を見ていたら非常に興味深いデータがありました。
それは、上場企業の利益の総額の予想です。
確かにリーマンショック直後はマイナスですが、今期はまだ黒字で20兆円くらいの利益は出て来るみたいです。
ということは、純資産は減らないと言うことになります。
2月下旬以降の相場においては、日経平均株価の理論上の純資産が大幅に減るかのような動きとなっていましたが、このデータ通りになるとするなら、それは行きすぎだと言えます。
GW明けに緊急事態宣言の延長が見込まれる中において、5月~6月にかけて2番底を探るとする意見が多いようですが、むしろ、世界的な金融緩和策が勝る可能性も見ておくべきです。
多くの人が考えることの反対に動くのが相場の常です。
楽観は禁物ですが、相場の格言も忘れてはいけません。
「政策(中銀)に逆らうな」は念頭に置いておきたいところです。
ですが、金融緩和も賞味期限があることは否めない事実です。
賞味期限内に実体経済が改善するようなことにならない限り、必ず剥げ落ちることになります。
期待先行で動きますが、正体見たり枯れ尾花、になるのは少し先送りとなるかもしれません。