景気は循環する
2016年05月09日(月)
GW明けの月曜日、皆様、いかがお過ごしでしょうか?
先週、1週間、日本は2営業日でしたが、欧米各国はきっちりと5営業日間市場がオープンしていました。
そして、金曜日の夜、米国の4月の雇用統計が発表されました。
雇用増加は16万にとどまりました。
3か月ぶりの20万人割れとなりました。
失業率は5%と前月比で横ばいでした。
この失業率5%は転職が多い米国においては、おおむね完全雇用の状況だそうです。
とすると、この先も毎月20万人超の雇用増加はあり得ないといえそうです。
この事実を前提とすると、本来なら米国連邦準備理事会(FRB)は利上げに動いてもいいはずなのですが、なかなか重い腰があがりません。
それは、なぜでしょうか?
景気には循環論があります。
ある一定の期間は景気の上昇期、その時期が過ぎると、下降期に入ります。
米国の景気回復はリーマンショックのあとこれまで6年半上昇期だったのです。
雇用が完全雇用状態ということは、景気はピークに近いとも言えます。
ここにきて利上げに動けば、景気に水を差すことになるかもしれません。
特に、株式市場は、今回の雇用統計で16万人しか雇用が増えなかったことを好感してNYダウは上昇しました。
景気は踊り場でどちらに向くかわからなくなってきているので、FRBは利上げはできない、なので、株価にはプラス材料というわけです。
ですが、日本株は、米国の利上げがないとなると、円高ドル安に為替が振れやすく、ネガティブ材料となります。
幸いなことに、ドル円の為替レートは雇用統計発表直後に106円半ばまで円高が進みましたが、NYの終値は107円台で戻ってきました。
これで、月曜日の日本株式市場はやや弱含みの展開ながらも大きく崩れることはなさそうですが、少し長い目で見ると、米国景気が踊り場となると、米国株も踊り場になって調整局面を迎えます。
日本株は米国株の影響を受けやすいため、もし、米国株安となれば、円高になり日本株安となりそうです。
Sell in Mayではなく、See a bottom in Mayになるような予感がします。
裏を返せば、We should buy in Mayになるかもしれませんが、もし、底打ちしたとしても。相場の戻りは短命に終わるかもしれません。
景気循環からすると相場の中に長居は無用の環境がしばらく続きそうです。