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高所恐怖症にすくむ市場

2021年01月14日(木)

今朝の日経新聞のマーケット総合面のスクランブルの記事に「高所恐怖症にすくむ市場」とあります。

米国の投資家心理はITバブル期を超える陶酔状態にあるとのこと。

コロナ禍で世の中良い話はないにもかかわらず、主要国中銀の金融緩和で日本でも株価はバブル崩壊後の高値を更新しています。

株価のバリュエーション指数の中でよく目にするPERは、東証1部が28.44倍です。 

来期が今期の2倍の利益にならないと正当化できない水準です。 

来期の業績予想は今期の50%増益ともいわれていますが、50%ではまだまだダメで、その翌年も同じだけ増益にならないといけないということになります。

常識で考えれば、ちょっと株価が行き過ぎているのでしょうが、その説明として、クライマーズ・ハイ、という言葉が使われています。

登山家が険しい岸壁を登る際に極度の興奮で恐怖を感じない精神状態になるそうです。 そのクライマーズ・ハイが解けた瞬間に恐怖心が一気に噴き出すらしいです。

いまの投資家の精神状態は、陶酔状態=クライマーズ・ハイ、ということになるのではないかと締めくくっています。

日本の株式市場においても、2,000年当時のネットバブルを体験した投資家は一線を退いており、いま投資している人々は今回が初めての体験になるのではないかと思います。

昨年3月に底打ちした株式市場ですが、株価上昇は今月で10カ月目となります。日経平均株価は、ひょっとすると目先3万円を目指す展開があるかもしれませんが、利食い千人力、という言葉も念頭に置いておくべき時間軸に差し掛かったように思います。

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プロフィール

西堀敬(にしぼりたかし)

西堀敬(にしぼりたかし)

IPOジャパン編集長
(株)日本ビジネスイノベーション代表取締役
日本テクニカルアナリスト協会検定会員

1960年滋賀県生まれ。大阪市立大学商学部卒。和光証券(現、みずほ証券)の国際部、ウェザーニューズ財務部長、米国系Eコマース会社の日本法人 CFO&COO、IRコンサルティング会社取締役を経て、2011年より現職。上場会社の社外取締役を複数兼務する。
また、2002年より東京IPO編集長、2015年12月よりIPO No.1サイト『IPO Japan』を監修、編集長に就任。TV出演や経済誌への執筆、セミナーや講演会などIPOの第一人者として市場の啓蒙・発展に尽力している。

著書に『改訂版 IPO投資の基本と儲け方ズバリ!』(すばる舎)、『IPO株の本当の儲け方』(ソフトバンククリエイティブ)。


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