IPO株が堅調な理由は
2022年10月20日(木)
株式市場は今週に入って落ち着いてきたようだ。
米国のイベントが通過して、台風一過の様相を呈している。
日経平均株価は、年初から売り越し基調だった外国人投資家の売りも一巡して、というよりも、目一杯のショートポジションでこれ以上売り込む理由がないほど売り込んでいるので、買戻しがなくても、国内の自社株買いと個人投資家の順張り投資で、しばらくは堅調な相場とまりそうだ。
次なる変化があるとすれば、11月第1週の米雇用統計ということになるだろうが、仮に結果が市場予想よりも良くても、すでに市場は11月のFOMCでの利上げ0.75%は織り込んでいるので、サプライズはなく無難に通過できそうだ。
むしろ、雇用状況が悪化した場合に、FRBがどう動くのかに焦点は移り、11月が予想通りであっても、12月以降の利上げペースが落ちるとの見方になってくると、年末ラリーに移行する可能性も十分ある。
とはいえ、ここまできた利上げはそそう簡単に終わらず、ペースダウンするかもしれないが、あとしばらくは続きだろう。
逆金融相場が終わって、中休みの中間反騰がやってきただけのことだと理解すべきだ。
むしろ、この後に控えている、景気後退による逆業績相場の到来に備えるべきであろう。
来年のどこになるかわからないが、日経平均株価はPBR1倍の水準まで、一度は下げる場面はあることを頭の片隅に置いておくべきだろう。
仮に、米国の利上げが止まることで、日米金利差が縮小し、円高に振れると、景気悪化+円高で、株価の調整は大きくなるかもしれない。
日経平均株価の水準で言えば、2万円どころまでは覚悟してかないといけない。
さて、前段の話が長くなったが、好調なIPO株の動きがここにきて鮮明になっている。
大型株はダメだから新興市場株とう消去法だろうか?
私は、そうではなく、業績連動だと考える。
その根拠は、日経新聞の株式欄にある、東証グロース指数のPERが87倍とつい数か月前までの100倍から低下してきていることにあると考える。
これまでは、マザーズ銘柄は、東証1部基準の利益を出すのはそんなに難しくなかったので、利益が出る企業は、上場後、1-2年でマザーズから東証1部に移った。
それが、プライム市場の利益基準が高くなって、プライムへの移行ができなくなり、かと言って、スタンダード市場に行くインセンティブもない。
つまり、そのままグロース市場に留まる企業が多くなってくればくるほど、グロース市場のPERは低下してくるということだ。
利益が伸びないプライム銘柄の中から構成される日経平均株価の伸び悩みはこれで説明できるのではないか。
この続きはまた次回に。