Market Eye

最新記事
記事一覧
次の記事
前の記事

業績と株価

2022年11月15日(火)

本日も2社がIPOするが、今年のIPO社数は90社程度に留まりそうだが、数が多ければ良いというものではない。

株式市場には二つの立場の役者がいて成り立つ。

発行体と呼ばれる企業、そして、投資家。

投資家は良質な投資先を求め、発行体は資金調達が目的、利益は一致するかと言えば、私からすれば、キツネとタヌキの化かしあいみたいなもので、一致するときもあれば、相反することもある。

増収増益で株価も好調な時は利益が一致しているように見えるが、増収増益であっても株価が上がらないくなるときがある。

企業経営者は、増益なのになぜ株価が上がらないのか?と私に聞いてくることがある。

その答えは、簡単なことで、買いたい人がすべて買ってしまったから、いくら業績が良くても、買う人、買い増す人がいなければ、株価は上がらないとうことだ。

一方、企業業績は、いずれはピークアウトするはずだ。

永遠に業績が伸びる企業がないわけではないが、上場してくる企業のほとんどは早晩業績は頭打ちになる。

投資家はそこを見込んでいるから、買ったらいつ業績がピークアウトするかを見極めるだけで、どんどん買っていくという行為にはならないはずだ。

繰り返すが、発行体と投資家の利害関係は一致しないことを企業経営者は肝に銘じておくべきだ。

だとすると、それはそれで、その考え方を逆手に取れば、発行体は投資家を上手く使って財務基盤を強くすることもできる。

発行体も投資家も売ったり買ったり、それを繰り返しながらゲームに興じる。

これが株式市場ではないだろうか。

この続きは、またの機会に。

最新記事
記事一覧
次の記事
前の記事

プロフィール

西堀敬(にしぼりたかし)

西堀敬(にしぼりたかし)

IPOジャパン編集長
(株)日本ビジネスイノベーション代表取締役
日本テクニカルアナリスト協会検定会員

1960年滋賀県生まれ。大阪市立大学商学部卒。和光証券(現、みずほ証券)の国際部、ウェザーニューズ財務部長、米国系Eコマース会社の日本法人 CFO&COO、IRコンサルティング会社取締役を経て、2011年より現職。上場会社の社外取締役を複数兼務する。
また、2002年より東京IPO編集長、2015年12月よりIPO No.1サイト『IPO Japan』を監修、編集長に就任。TV出演や経済誌への執筆、セミナーや講演会などIPOの第一人者として市場の啓蒙・発展に尽力している。

著書に『改訂版 IPO投資の基本と儲け方ズバリ!』(すばる舎)、『IPO株の本当の儲け方』(ソフトバンククリエイティブ)。


最新の記事一覧