ノルム
2023年11月28日(火)
日本がデフレからインフレ基調に変わりつつあるようですが、どうして物価が長きにわたりあがらなかったのか。
「長きにわたるデフレの経験から、賃金や物価が上がらないことを前提とした考え方や慣行、いわゆる『ノルム』が根強く残っていた」と今年4月に日銀総裁を退いた黒田東彦氏は、在任中に物価安定目標が達成できなかった背景に「ノルム」の存在を挙げている。
ノルムとは「予想」より強い概念で、社会的な習慣や規範意識を意味する。米国の経済学者アーサー・オーカンが提唱したものです。
物価が上がらないから賃金がそのままでも生活は困らない、という感覚が20年以上も続いた日本が変われるのか?
日銀はそれを変えようと10年にわたり金融緩和を徹底したが、結果は見ての通りで変わらなかった。
今回のインフレは外圧、輸入物価が高騰し、已む無く、価格転嫁した結果でしかないのだが、そのお陰で、賃上げができた。
賃上げがあった人々は、給料があがることが、こんなに嬉しいことかと気づいたわけで、もし来年上がらないとなると、大きく落胆するに違いない。
でも、世の中は、景気の良い企業も多くあり、きっと、気前よく賃上げしてくるはずで、ちょっと厳しい経営の企業も已む無く(これも外圧)賃上げに追随せざるを得なくなるだろう。
この流れができあがるには、せめて3年くらいはこの状況が続かないとダメだと感覚的に思いますね。
賃上げ、物価上昇するのが当然のだと思う「ノルム」が必要ですね。
自分が企業経営者であれば、この流れができあがることに、かなり危機感を覚えるはずです。
この危機感こそが日本経済を成長させる原動力になるように思います。
IPOする企業経営者はこの環境を前提に事業展開し、日本をデフレに戻らないように心がけていただきいものです。