大納会
2023年12月29日(金)
大納会を迎え、年末としては史上最高値となったバブル経済最盛期の1989年以来、
34年ぶりの高値を付けた。
本日の日経平均株価の終値は3万3464円となり、年初から約30%の上昇となり
ましたが、東証グロース指数は年初から若干の下落で取引を終えております。
新興株式市場が低迷する中、IPO社数は96社と昨年の91社から5社増えました。
IPOの究極の目的が資金調達だとすると、社数はあまり増えなかったものの、
資金調達額は公募・売出し・OAで6,418億円と昨年の3,400億円の2倍近くと
なりました。
新興市場の東証グロース市場への上場を見ると、上場企業数は66社で調達額は
2,915億円と昨年の70社で1,778億円から約6割増えております。
この背景には、東証グロース市場での大型IPOがあったことによりますが、
もっとも大きかったトライト社(9164 / 東G)の552億円をはじめとする、
100億円超の調達をした企業が8社(昨年は1社のみ)もあったことによります。
一方、初値騰落率を見ますと平均値は65.2%と昨年の52.3%からやや回復
しましたが、初値が公開価格以上となったのは69.8%と昨年の79.1%から
10%近い銘柄の株価が上場当日低迷したことになります。
特に、12月の15銘柄のうち8社銘柄の初値が公開価格割れとなり、大型株の
上昇を横目に厳しい現実となりました。
大型株は米国の利下げ見込みから、10月以降は資金が集中しましたが、
小型株においては、そもそも利益水準が低く、金利裁定が働きにくく、
利益成長がいまひとつの銘柄が多いために株価が低迷したと考えられます。
来年2024年の1号銘柄は2月7日に予定されていますが、年初のIPOは強気で
買いが入るというアノマリーがあるので、期待したいところです。
2024年を通して、IPO社数はさほど増減はなく、90-100社となると推測しますが、
米国株式市場がソフトランディングすることが大前提ですので、もし、米国市場
が景気悪化から大きく調整するようなことになれば、日経平均株価は3万円割れ
となり、IPO社数は最悪2-3割減少する可能性もあるかもしれません。
ただ、米国大統領選挙の年の米国株のパフォーマンスは年末高というアノマリー
もありますので、夏場に弱含むことがあっても、年間を通して日本株の上昇基調
は続くと推測します。
IPOの数が減ったとしても初値だけは平均値としてプラス圏で推移することは
間違いないと考えます。あのリーマンショックの時でさえ、初値騰落率の平均値
はプラスでしたので、皆さんは、動じることなく、IPO株には強気で臨んで
いただきたいと思います。
それでは、皆様、良い新年をお迎えください。
IPOジャパン編集長 西堀敬