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八掛け社会

2024年01月07日(日)

朝日新聞のコラムによると、2040年に労働人口が八掛けになるという。

この30年間に、我々の生活における利便性はかなり向上したが、社会はより忙しくなったのではないか。

30年前との違いをみると、1994年、携帯電話、インターネットはすでに存在したが、我々の生活には利用されてなかった。

そこから10年が過ぎて、携帯電話、インターネットのある生活が当たり前になった。

そこから生活、そして、仕事の仕方も大きく変わった。

40年前、24時間働けますか?というCMがあったが、携帯電話とインターネットの登場で、本当に24時間働く環境が整った。

携帯電話がガラ系からスマホに代わるのが、その10年後の2010年代半ばだった。

もはやパソコンがなくても、スマホ1台で、携帯電話、パソコンが一体になった。

ますます、世の中が便利になったが、その裏では、人々は時間に追われるような生活になったのではないか。

深夜にECで買い物をすると、翌日には自宅に届く、物流センターでは、深夜に働いている人がいるからなしえることに加えて、ラストワンマイルの配送が整備されていることもあるだろう。

ECでの買い物は、明日来るが今日来るに変わってきた。

これは本当に便利だか、この便利さは、ITの進化だけで実現されているのではなく、人手によってカバーされている部分が大きい。

しかしながら、いま目の前にある人手不足が、我々の当たり前の利便性を損ねることになることは間違いないだろう。

今日来るから明日来るならいいが、明後日来る、くらいになることは許容しないといけない日はすぐそこにあるのではないか。

それと、明日来る、にするには、郵便でいえば、速達料金を払う必要が出てくるだろう。

現に郵便で葉書を出すと、都内であっても3日から4日はかかるのが当たり前になっている。
翌日届けたいなら、速達にするしかないようだ。

この先、15年後には労働人口が八掛けになる、人手不足は深刻化する。

人手が必要な仕事は人口減少の分だけは少なくなるだろうが、人口減少のスピードよりも、労働人口減少のほうが激しいはずだ。

人手不足との対峙、日本社会が直面する危機は、ここにあるのかもしれない。

このギャップをどう埋めるかが、日本人に求められる知恵ではないか。

日本企業はロボット技術では世界でも秀でたものを持っている。

これにAIの技術をもってすれば、かなり人手不足を解消に役立つはずだ。

投資家が株主になっている大企業だけではこの危機は突破できないかもしれないが、この状況を突破するにはお金では動かない問題意識をもった若手中心のベンチャー企業に期待したいところだ。

そしてそこに資金を投じる新しい価値観をもった投資家の登場を強く望みたい。

特に投資家については、上場で資金を得た企業のオーナーに期待したいところだ。

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プロフィール

西堀敬(にしぼりたかし)

西堀敬(にしぼりたかし)

IPOジャパン編集長
(株)日本ビジネスイノベーション代表取締役
日本テクニカルアナリスト協会検定会員

1960年滋賀県生まれ。大阪市立大学商学部卒。和光証券(現、みずほ証券)の国際部、ウェザーニューズ財務部長、米国系Eコマース会社の日本法人 CFO&COO、IRコンサルティング会社取締役を経て、2011年より現職。上場会社の社外取締役を複数兼務する。
また、2002年より東京IPO編集長、2015年12月よりIPO No.1サイト『IPO Japan』を監修、編集長に就任。TV出演や経済誌への執筆、セミナーや講演会などIPOの第一人者として市場の啓蒙・発展に尽力している。

著書に『改訂版 IPO投資の基本と儲け方ズバリ!』(すばる舎)、『IPO株の本当の儲け方』(ソフトバンククリエイティブ)。


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