日経平均10万円
2024年01月30日(火)
「日経平均10万円」時代が来る!、というタイトルの本を藤野英人さんが書いている。
私は読んでないので、書評はしないが、個人的な意見として、日経平均株価が10万円になってもおかしくないと思っている。
このコラムを読む人は、1989年に付けた高値38,915円はいずれ抜くかもしれないが、そうそう10万円はないだろうと思うかもしれない。
だが、たぶん、私の命が尽きる前、いやもっと手前に10万円はあるかもしれないと考える。
株価は名目値で決まるので、インフレになると、株価も連動するはずだ。
コロナやウクライナで物価が上がりインフレ時代が到来したかのように見えるが、それも一服感が出てきているじゃないか、という人もいる。
コストプッシュのインフレはいったん落ち着くかもしれないが、日本経済の構造が変わりつつあることに注意したい。
企業はコストアップを見込んで売価を上げに動いた。
売上高利益率を落とさないとすると、売価アップは売上増となり、利益率が同じなら、利益の絶対値は大きくなる。
わかりやすく言えば、
売値100円で営業利益10円だとすると営業利益率10%
この10%の利益率を維持しつつ
売価を10%上げると、売価110円、営業利益11円となる。
もしこの会社の株価が150円でPERが15倍だとすると
単純に利益が1割増えた分だけ株価はPER15倍のままで165円になる。
もし、この値上げが10年続いたらどうなるのか?
10%の値上げが10年続くと、売価は260円、利益率10%で営業利益は26円となる。
利益は10→26円で2.6倍となる。
PERが変わらなければ、計算上株価は390円になるはずだ。
これを日経平均株価にあてはめると、3万5000円*2.6倍で9万1000円となる。
インフレ時代が続くと、このようなことになるはずだ。
じゃあ、インフレは続くのか?
外的要因(資源高、為替)はこの際無視したとしても、国内だけを見ても、労働力不足は誰の目にも明らかだ。
過去にも書いたが、単純労働者の需要を満たすだけの供給がまったくないはずだ。
これまでなら、居酒屋のバイト代は、時給1,000円+α程度だったが、今の時代は、時給1,500円でもバイトが集まらないなんてこともある。
時給1,000円で労働している人達、ビルの掃除、ホテルのベッドメイク等々、特に高齢者が徐々に労働市場から消えて行く、この穴埋めが出来なければ時給を上げるしかないが、物理的に人の数が足りないわけだから、日本経済はシュリンクしていかざるを得ないということになりはしないだろうか。
株価はたとえ日経平均株価10万円になったとしても、その時は、単純労働の時給も1000円が2600円になっているだろう。
だとすれば、コーヒーや牛丼も一杯1500円くらいにならないと辻褄が合わないことになる。
株高効果で資産が増えても、物価も上がるので、実質的な可処分所得はさほど変わりはしないということになる。
ここでひとつだけ言えることは、家計で余ったお金を預金しているいると、大変なことになるかもしれないということだ。
日銀は日本の財政も考えているので、金利は欧米ほどは高くならないとすると、金利とインフレ率の差の分だけ、預金しておくと資産が目減りすることになる。
やはり、インフレに勝てるかどうかはわからないが、インフレについていける資産を持つべきだろう。
国家を上げて取り組んでいるNISAの制度、これを目一杯使ってインフレに負けない資産作りに取り組むべきというのが、私の意見だ。
その中で、日経平均株価もいずれ10万円という日が遠からず来るに違いない。