マネーシフト
2024年01月23日(火)
マネーシフトは起こるか?
日経新聞の市況解説を読んでいると、超大型株が相場を引っ張っているとの解説がある。
確かに株価指数は大型株で構成されていることから、大型株が買われなければ、日経平均株価もTOPIXも上がるはずがない。
何もとりたて解説するほどのことでもないように思うが、事実は事実として伝えることがメディアの使命かもしれない。
そんな日経新聞に22日、月曜日に、売上高が300億円以下の中堅以下の上場企業で時価総額を増やした企業のランキングがあった。
22年末から23年末までの1年間でどんな企業が時価総額を伸ばしたのか。
1位は、ジャパンエンジンコーポレーション、船舶用のエンジンを開発している企業で、時価総額は4.9倍になった。
20位は、やまみ、豆腐の製造販売会社で、時価総額は2.6倍になった。
この20社の特徴を見ると、まず、上場市場では東証スタンダードが12社、東証グロースが5社、東証プライムが2社、名証メインが1社となっている。
時価総額で最も大きいのが、さくらインターネットで835億円、もっとも小さいのが、エージェント・インシュランスの32億円となっている。
エージェント・インシュランスの1年前の時価総額は12億円だったことから、時価総額が小さいから買われない、つまり投資対象外であるとの考えはあてはまらないということだ。
いくつかの視点でこの20銘柄を見ると、
1.個人投資家の好む株主優待の有無は、6社のみ有り、となっていることから、優待狙いではない。
2.機関投資家が買いの有無は、11社に投資信託含むプロ投資家が株主になっている。
3.業績は当たり前だが、20銘柄共に少なくとも利益が上向き、増益である。
4.FCFは16社がプラスとなっている。
これらの20銘柄の共通点を他のマイクロキャップ銘柄にあてはめて行けば、大型株でなくても、投資対象となり得るはずではないだろうか。
本日、日経平均株価は3万円7,000円にあと一歩まで近づいて、ローソク足は上髭の長い陰線で引けている。
なんとなく、大型株相場はいったんこのあたりで一服になるのではないだろうか。
日銀金融政策決定会合というイベントも終わり、材料も出尽くしてきたみたいだ。
日経平均株価は、早晩、調整を余儀なくされるかもしれないが、株式市場そのものが冷え込むとみる必要はないだろう。
ここは大型株から、小型株、そして、マイクロキャップへのマネーシフトが起こる可能性が出てきているともいえる。
いわゆる、循環物色により、株式市場の資金がぐるぐる回る、その中で、昨日の日経新聞になるような銘柄に資金が向かうかもしれない。
小型株がダメだと決めつけないで、小型株の中でも、クオリティの高い銘柄を選別していけば、十分勝機はあるといえる。