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バブルではないが

2024年02月27日(火)

日経平均株価が高値を更新し続けている。

過去の高値は1989年12月、約34年前のことである。

振り返ってみて、当時の事を「バブル」だという。

そのバブルの象徴としてテレビにたびたび登場するのが、ジュリアナ東京のお立ち台の映像だ。

だが、そのジュリアナ東京のオープンは1991年5月だそうだ。

バブル崩壊後にオープンしていたとは皮肉なものだが、その映像がバブル時代を物語っているとの刷り込みはメディアの報道につきる。

では、いまはバブルか?と言えば、株価の尺度となる指標での比較ではなく、日本人の感覚で言えば、冷めた目で株価の高値更新を見ている人がおおいのではないだろうか。

NISAの登場で、貯蓄から投資への流れが出来上がりつつあるが、NISAの積立投資は若者にしてみれば銀行に積立貯金するのとまったく変わりないのではないか。

株式投資をやってきた人は、短期でキャピタルゲインを求める思考が強かったが、NISAでは、10年、20年、30年という時間軸で物事考えている人が多いはずだ。

気が付けば、数十年で1000万円投資して、それが2倍、3倍になっている。 それが老後生活の原資になる。

この好循環が出来上がるのは、いまから数十年後の話だろう。

ここに向けて始まったばかりのNISA制度、この追い風もあって日本株が買われているわけではない。 

短期マネーも多分に入っていることに、個人投資家は注意するべきだろう。

証券会社のコールセンターが大賑わいで、対応する人手が足りないとか、正直言って、コールセンターで電話にでる人は、注文を執行することはできても、相談相手にはならないことだけは注意しておきたいものだ。

焦っていま株を買う必要はない、バークシャーハザウェイのバフェット氏はいま魅力的な投資対象は無いと言っている。

プロ中のプロのコメントの重みを感じたいものである。

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プロフィール

西堀敬(にしぼりたかし)

西堀敬(にしぼりたかし)

IPOジャパン編集長
(株)日本ビジネスイノベーション代表取締役
日本テクニカルアナリスト協会検定会員

1960年滋賀県生まれ。大阪市立大学商学部卒。和光証券(現、みずほ証券)の国際部、ウェザーニューズ財務部長、米国系Eコマース会社の日本法人 CFO&COO、IRコンサルティング会社取締役を経て、2011年より現職。上場会社の社外取締役を複数兼務する。
また、2002年より東京IPO編集長、2015年12月よりIPO No.1サイト『IPO Japan』を監修、編集長に就任。TV出演や経済誌への執筆、セミナーや講演会などIPOの第一人者として市場の啓蒙・発展に尽力している。

著書に『改訂版 IPO投資の基本と儲け方ズバリ!』(すばる舎)、『IPO株の本当の儲け方』(ソフトバンククリエイティブ)。


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