創業者の想い
2016年07月01日(金)
3月決算企業の株主総会も昨日で終了しました。
もの言う株主の議案提出とか総会での発言で目立ったものはなかったが、ここのところ目につくのは資本と経営が分離している上場会社における創業家といわれる大株主の言動である。
今朝の日経新聞1面で出光興産の創業家が社長の再任に反対票を投じたことが報道されている。
かろうじて52.3%の賛成を得て月岡社長は取締役続投となったが、約47%の反対票のうち33.92%は創業家の票であった。
会社は誰のものか?という議論がかつてあったが、創業家が出てくるとなると、会社は何のために存在するのか?を問われていると考えるべきではないだろうか。
出光興産の成り立ちについては小説にまでなっており、創業者の想いは国民の多くが知るところではないか。
経営者は単なる経済合理性、平たい言葉でいえば、金儲け主義、だけで会社を経営するのではなく、そもそも当社は何を目指すのか?という企業の基本理念をしっかりと見直すべきではないか。
新聞記事によると、出光興産の経営陣は合併案が創業家に認められるように説得を続ける、と書いてあるが、小説に登場した創業者のような「強い想い」があるかどうかが説得できるかどうかのポイントのように思う。
もし仮に経済合理性だけで説得を試みたとしたら、結果は火をみるより明らかではないか。
生死を賭けて経営した創業者の想いの強さは、その後を継いだサラリーマン経営者とは比較にならない。
そこをまずは認めるところから入らなければ物事は前に進まないだろう。
サラリーマン経営者と創業家の戦いは今後も総会シーズンになると再燃する話題になるだろう。