Market Eye

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冴えないが

2024年12月10日(火)

師走に入り、今日は10日となった。

年内の立ち合い日数はちょうど15日、その間に15社が上場してくる。

同じ日に上場する銘柄もあるが、日数とIPO社数が同じということで、ほぼ毎日1社が上場する塩梅だ。

IPO株と言えば、プラチナペーパー、必ず儲かる株というイメージがあって、ブックビルに参加しても、なかなか当選しないのが当たり前だったが、少しずつ、その人気にも陰りがでてきたのではないか。

というのも、ここまで72社がIPOしてきたが、17社の初値が公開価格割れとなっている。

直近25銘柄を見ると、平均初値騰落率は+12.7%、そして、昨日の終値と公開価格をみると+8.62%と初値を割り込んでいる。

通常、IPO株の公開価格は、類似会社批准方式でFVを計算し、そこから新興市場だとディスカウントが30%程度は入る。

計算上は、初値騰落率は、その30%を埋める形で付くのが理屈というものなのだが、ディスカウントを埋めきれない初値が付くということの意味合いは、市場が機能麻痺状態にあるということだ。

類似会社が割高なのか、IPO銘柄が割安なのか・・・・どちらかでしかない。

個人的な意見としては、IPO株が割安だと考えている。

ただでさえ、新興市場は放置されているところに、IPO株はさらにディスカウントがかかっているとすれば、いずれこの割安な銘柄に軌道修正が入るのではないかとみている。

ここから年末までの15銘柄を含めて、企業業績と株価バリュエーションをしっかりと見極めて、お宝株を見つけたいものだ。

ただし、市場の軌道修正には時間を要するので、バイ&ホールドのスタンスで臨まないといけない。

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プロフィール

西堀敬(にしぼりたかし)

西堀敬(にしぼりたかし)

IPOジャパン編集長
(株)日本ビジネスイノベーション代表取締役
日本テクニカルアナリスト協会検定会員

1960年滋賀県生まれ。大阪市立大学商学部卒。和光証券(現、みずほ証券)の国際部、ウェザーニューズ財務部長、米国系Eコマース会社の日本法人 CFO&COO、IRコンサルティング会社取締役を経て、2011年より現職。上場会社の社外取締役を複数兼務する。
また、2002年より東京IPO編集長、2015年12月よりIPO No.1サイト『IPO Japan』を監修、編集長に就任。TV出演や経済誌への執筆、セミナーや講演会などIPOの第一人者として市場の啓蒙・発展に尽力している。

著書に『改訂版 IPO投資の基本と儲け方ズバリ!』(すばる舎)、『IPO株の本当の儲け方』(ソフトバンククリエイティブ)。


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