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LINE上場

2016年07月15日(金)

  • LINE上場

待ちに待ったLINEがやっと上場する。

NYでは一足先に上場を終えた。 株価は41.58ドルが終値だった。 ドル円を105円で換算すると、1株4400円程度となる。

公募価格が3300円だったことからすると、東京市場での初値は4400円では寄り付かず、もっと高くなるのではないだろうか。

人の心理とは面白いもので、一般論としては、IPO株は公募で買って初値で売ることが一番儲かるのだが、含み益があるとなると、まだ上がるのではないかと考えて売り注文を出したくなくなる。

そこに買いが殺到するから、株価がつかないまま、気配値を切り上げていくことになる。 

いくらが東京市場の初値になるか興味深いところである。

さて、昨日、日経CNBCに出演したときに、記者の方からも質問されたのですが、なぜNY上場が東京上場よりも1日早かったのか?について解説をしていきたいと思います。

まず、公募、売り出し株が3500万株だったのですが、海外オファリングが2200万株と国内よりも多かったわけです。

これは、LINEの競合が国内には存在しないことを市場に知らしめるためだったと思います。

競合は、Facebook(Messennger,WhatApp),Tencent(Wechat)だと言いたかったのです。

そして、競合の株をもっている機関投資家に販売したかったのではないでしょうか?

Facebook株を米Fidilityは6000億円、バンガードは1兆円保有しています。 

その他にもFacebook株は欧米の多くのファンドが組み入れています。 このファンドに営業をかければひとつのファンドで10億~100億円くらいは買っていただけるはずです。

今回のLINEの海外オファリングはたかだか730億円ですから、砂漠に水を撒くがごとく海外で消化されたはずです。

そして、NY上場ですが、ファンドには「ユニバース」が設定されていて、〇〇取引所に上場している株式しか組み入れない、という自主ルールがあります。 

その意味では、海外で広く投資家を募るには、NY上場は必須だったわけです。

次に、NYで株価が跳ねた背景について解説します。

海外でLINE株を買った投資家はすべて機関投資家です。 

日本の個人投資家のように初値売りは間違いなくありません。

売りを出す投資家はほとんどいないということです。

そこに日本の個人投資家がネット証券経由で買いを入れるわけですから、値は上がる以外になかったということです。

この流れの中で東京市場は上場を迎えるわけですから、必然的に売りが手控えられて、買い先行となるはずです。

ここで、公募株を買った投資家の皆さんへのアドバイスです。

もうはまだなり、まだはもうなり、という相場の格言があります。

LINEはこの先も株価は上がる可能性は十分ありますが、天井で売ることは難しい、ということも肝に銘じておくべきです。

それと、今日は金曜日です。 また、日本は3連休です。 相場の流れがいったん途切れる可能性も念頭に置いたほうが良いでしょう。

含みを抱えた週末よりも、実現益で3連休を迎えるべきだと思います。

では、Have a nice weekend and holiday !!!!

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プロフィール

西堀敬(にしぼりたかし)

西堀敬(にしぼりたかし)

IPOジャパン編集長
(株)日本ビジネスイノベーション代表取締役
日本テクニカルアナリスト協会検定会員

1960年滋賀県生まれ。大阪市立大学商学部卒。和光証券(現、みずほ証券)の国際部、ウェザーニューズ財務部長、米国系Eコマース会社の日本法人 CFO&COO、IRコンサルティング会社取締役を経て、2011年より現職。上場会社の社外取締役を複数兼務する。
また、2002年より東京IPO編集長、2015年12月よりIPO No.1サイト『IPO Japan』を監修、編集長に就任。TV出演や経済誌への執筆、セミナーや講演会などIPOの第一人者として市場の啓蒙・発展に尽力している。

著書に『改訂版 IPO投資の基本と儲け方ズバリ!』(すばる舎)、『IPO株の本当の儲け方』(ソフトバンククリエイティブ)。


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