短期思考は危ない
2016年07月27日(水)
政府は経済対策を検討しているようです。
最低賃金を24円引き上げたり、低所得者に1万円配布したりと、消費喚起を狙っているようですが、申し訳ないけど、その程度の金額で本当に消費底上げになるのか疑問です。
それに呼応するように、日銀も追加の金融緩和策を検討しているとか。
日経新聞の報道によれば、マイナス金利幅の拡大、国債購入額の引き上げ、ETF買い増し、等、どれをやっても国民の生活にはあまり影響は無いように思います。
金利が下がる→住宅や自動車などのローンを使った購入が増える、ことを期待しているのでしょうが、もうここ何年かの低金利で、買いたい人、と言うよりも、買える人は買っているはず。自宅も自動車も複数持つ意味はありません。
ETFの買い増し→株価が上がる、なのでしょうが、株価とは企業の利益に連動するものです。 利益が増えないのに株式を買えば、それはフェアバリューをマニピュレートすることになります。
政府も通貨当局も短期志向の目先を追いかけるあまりに、無意味な策に溺れているように感じます。
このツケはかならずや大きなしっぺ返しとなって世代を跨いで国民の負担になるように思います。
政府や日銀に救いの手を差し伸べて欲しいと期待することは止めたほうがいいでしょう。
企業においては、どのような経済環境でも生き延びられるようにしっかりとした経営を考えるべきです。 例えば、金利が5%になってもリターンを得られる投資であるとか。
個人においても、金利が低いから変動金利で住宅ローンを目一杯組むのではなく、ちょっとくらい金利が高くてもできるだけ長期の固定金利で組むべきでしょう。 そして、収入はさほど伸びないという前提も必要かもしれません。
ネガティブ思考になるべきではありませんが、いまの金融環境は異常時だと考えておくべきだということです。
異常事態を常態と考えてはいけません。
政府や日銀の幹部の在位期間だけなんとなればいいという短期思考に踊らされないようにきをつけたいものです。
今週は米FOMC,日本では日銀金融政策決定会合と続きます。
ちょっとナーバスなマーケットになりそうですので、落ち着いて方向性がでるまで静観するのが良いかもしれません。