IPOの行く先
2017年05月12日(金)
2017年のIPOは4月末までに32社が上場を終えた。
32社の初値騰落率は日経平均株価が3月に入って軟調に推移したにもかかわらず平均で105%と絶好調となっている。
1‐4月の期間を過去5年間遡って比較すると、アベノミクス相場が本格化した2013年を除くと、この時期は例年大型株主導の相場展開となるため、IPO銘柄のパフォーマンスはいまいちとなっていた。
17年の同時期においては、米国におけるトランプ相場の先行き懸念、フランス大統領選挙、北朝鮮の地政学的とリスク要因が多かった3月に21社のIPOがあったことが功を奏したと言えるだろう。
年 件数 勝 負 分け 勝率 平均初値 騰落率 騰落率 1-4月
騰落率 最高 最低 騰落率
2013年 54件 52 1 1 96.29% 121% 456% -4% 131%
2014年 77件 59 15 3 76.62% 90% 463% -20% 58%
2015年 92件 82 8 2 89.13% 87% 433% -24% 69%
2016年 83件 67 15 1 80.72% 72% 373% -17% 63%
2017年 32件 28 4 0 87.50% 105% 325% -5% 105%
本日、6月のIPOが承認され、いよいよ6月のIPOが始まることになる。
6月という月は3月決算企業が1年以上前の前年度の3月決算を直前期としてIPOできる最後のチャンスとなる。
よって、12月、3月、同様に駆け込みのIPOがやや多くなってくる傾向がある。
今年も10社程度のIPOが予定されていると聞き及んでいるが、3月のように大型株のパフォーマンスが冴えないとなると、小型株やIPO株に個人投資家の資金が流入してきて活況となる可能性がある。
もし、その逆に円安になったりすると、大型株中心の相場展開となり、IPO銘柄は冴えない展開になるやもしれない。
6月上旬には米国のFOMCが開催されて、米国では利上げが実施されるかもしれない。 そうなってくると為替でドル円は円安に傾き大型株中心となる可能性が高い。
このあたりの動きをよく考えながらIPOおよび小型株には取り組みたいものである。