日はまた昇る
2020年03月15日(日)
13日の金曜日、日経平均株価が一時1万6000円台まで下落した。
市場関係者も底なし沼の状況ではないかと背筋が寒くなる思いをしたに違いない。
だが、底はいずれ入り、再び、株価は浮上してくることは、歴史が証明しており、ここは耐えるしかない局面である。
調整というのは、日柄と値幅、で考えるべきである。
値幅においては、過去を振り返ると、リーマンショックが引き合いに出される。
PBRが0.8倍というのが、100年に一度と言われた、リーマンショックの際に日経平均株が底値を売った水準である。
いまでいえば、おおよそ1万6600円である。
3月13日の日経平均株価の安値は1万6690円であり、おおよそ底を打つ水準まで達したことになる。
おそらく、週明けはNYダウが歴史的な戻りの上げとなったことで、日経平均株価も1万8000円台まで回復する可能性は高い。
では、完全底打ちと言えるのか?
ここで日柄が重要になってくる。
リーマンショックの時も2008年10月でいったん底打ちに見えたが、翌年3月に2番底があって、完全の底打ちとなった。
つまり、この2番底があるのか、無いのか?
コロナウィルスの終息が見えないと、2番底が見通せないことが市場の不安心理を増長さえている。
私見ではあるが、企業業績を株価が具体的に織り込んでいくタイミングで2番底が来ると考えている。
3月決算発表の時期に、2020年3月期の下方修正が出て、2021年3月期の業績予想が出せない、もしくは、超保守的な予想がでてくることが予想される。
加えて、ちょうどその時期に、今年の夏に予定されているオリンピックの中止(もしくは延期)が発表されるはずだ。
ここで2番底の動きとなり、再び、日経平均株価は1万6000円台に向けて下値を模索すると見ている。
リーマンショックの時は、1番底が2008年10月、2番底が2009年3月だったが、今回は1番底が2020年3月、2番底が5月(もしくは6月)にやっているのではないだろうか。
ただし、リーマンショックと今回の違いは、金融システムが崩壊しているわけではなく、リーマンショックのような日柄を要しないと考えている。
コロナウィルスの先行きであるが、中国の状況がひとつの参考になるならば、日本は3月がピーク、欧米は4月がピークとなるのではないか。
感染者の数が徐々に減少してくることで、人心が落ち着き、市場も先を見ることができるのではないか。
政府が発表する日々の新規の感染者数が減少に転ずることが重要であるが、もっと、身近な出来事で考えるなら、品薄というより、手に入らないマスクが店頭に常に在庫があるような状況になってくれば状況が変わってきたと感じることができるのではないだろうか。
あと2週間程度の時間軸がもっとも苦しい時期ではないだろうか。
今回同様で東日本大震災の時も実は目には見えない敵がいたはずだ。
政府が真実を伝えなかったことで、我々はそこまで悲観しなかったが、関東の放射能の量は半端なかったのではないだろうか?
諸外国の大使館は在京の自国民に対して東京から離れるように指示したが、我々は揺れや停電ということが収まることで、徐々に恐怖が遠のいたという記憶がある。
まずは、身近なとこころで不安がなくなること、これが何よりも大事である。
桜の咲くころには、と言えば、もう東京でも桜の開花が宣言されているが、全国的な桜の満開を迎えるころには、マスクが日本国民全員に不自由なく使える日が来ることを祈りたい。
株式市場も夏には、春先は大変だったと過去形になる日が来ることを祈るばかりである。
今は夜中の闇夜、日はまた昇ることは間違いない。