IPO承認取消が続くが
2020年03月30日(月)
新型コロナウィルスの感染拡大が止まらず、この先、どこまで広がるのかまったく見えない状況になっている。
株式市場は世界的に乱高下を繰り返しており、底なし沼状態になりつつありように見える。
このような中にあって、IPO市場もここにきて、いったん上場承認されたが、承認取消になった銘柄が9社ある。
目論見書に記載した想定株価に及ばない仮条件、公開価格になりそうだと分かった時点で企業から東証に対して上場申請を取り消している。
想定株価から仮条件や公開価格が大きく乖離してくる理由はいくつか考えられる。
IPO時の株価は、類似会社比準方式で決まるのだが、上場前の類似会社の株価でいったん目安の株価を決めるが、それから時間の経過とともに類似会社の株価が下がることで、いったん決めた株価に妥当性がなくなってきているといえる。
加えて、初値が公開価格を割込むIPO銘柄が出て来ることから、個人投資家の買い意欲が大幅に低下していてきたことで、負のスパイラルになっている。
4月に9社のIPOが予定されているが、おそらく上場を取り消す会社が半分は出て来るのではないだろうか。
一方ですでに上場した企業の株価が底なし沼的に売り込まれており、まだ下がるかもしれない。
投資家として重要なことは、やむに已まれぬ事態で売らないといけない方は別として、IPO株に投資を考えている投資家にとっては、またとないチャンスが到来していると言える。
類似会社の株価が下がっていることに加えて、IPOディスカウントで割安に設定された公開価格を割込んでいるわけですから、常識で考えて割安です。
そこで、ちょっと考えるべきことは、ビジネスモデルである。
今回の新型コロナウィルスの影響を大きく受けるビジネスであれば、いま買うべきではなく、決算発表を待つべきだる。
ですが、そうではない銘柄については、市場の底打ちと同時に大きく反発してくるはずである。
もうはまだなり、まだはもうなり、市場全体では、もうはまだなり、だと考えるが、IPO銘柄に関しては、まだはもうなり、の銘柄も出てきている。
森をみて木をみず、ならないように注意したいところである。