Market Eye

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6月上場はギリギリ

2020年05月27日(水)

先週からIPOの新規承認が始まった。

あれ、この名前は・・・と思う社名がいくつかある。

春先に一度上場承認されて、一度、取消になって、再度、承認された銘柄である。

二度目の承認となった企業はいずれも、3月決算企業である。

3月決算企業は、上場日が期越えとなる場合、6月末の株主総会日までに上場しないといけない。

少し解説を加えると、決算数値は株主総会で確定する。 よって、株主総会が終わると、直前期が変わることになり、目論見書で開示する会計年度が変わることになるのである。

だから、6月末は3月決算企業にとっては、ギリギリの上場となるわけだ。

もし、3月決算企業が6月末上場を逃すと、再度、仕切り直しで、新しい会計年度が審査対象となるため、主幹事証券会社の審査、東証の審査を経ると、どうしても秋以降のIPOとなってくるということになる。

この春は、多くの企業が上場承認されて、取消となった。

このまま上場できずに消えてしまうのか、それとも、仕切り直してくるのか、注目していきたいところであるが、今回のコロナ禍で大幅な売上減少となるようなビジネスドメインの企業はしばらくは上場は難しいだろう。

しかしながら、コロナ禍に影響を受けない企業は、市場の需給だけで、上場申請を取り消しているため、市場が回復してくれば、かならず再度出て来ると思われる。

ざっくりと20社前後の企業がこの春先に上場予定していたが、そのまま消えないことを祈りたいものだ。



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プロフィール

西堀敬(にしぼりたかし)

西堀敬(にしぼりたかし)

IPOジャパン編集長
(株)日本ビジネスイノベーション代表取締役
日本テクニカルアナリスト協会検定会員

1960年滋賀県生まれ。大阪市立大学商学部卒。和光証券(現、みずほ証券)の国際部、ウェザーニューズ財務部長、米国系Eコマース会社の日本法人 CFO&COO、IRコンサルティング会社取締役を経て、2011年より現職。上場会社の社外取締役を複数兼務する。
また、2002年より東京IPO編集長、2015年12月よりIPO No.1サイト『IPO Japan』を監修、編集長に就任。TV出演や経済誌への執筆、セミナーや講演会などIPOの第一人者として市場の啓蒙・発展に尽力している。

著書に『改訂版 IPO投資の基本と儲け方ズバリ!』(すばる舎)、『IPO株の本当の儲け方』(ソフトバンククリエイティブ)。


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