Market Eye

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本日のIPOに注目

2020年07月10日(金)

米NASDAQ市場は最高値を更新してきた。

だが、ダウのほうが大幅下落となっている。

景気を映す鏡と言われる株式市場のだが、どちらが真実を物語っているのか。

世界的なコロナ禍の中で、この3か月間は官製相場の色彩が強かった。

大型の財政政策、金融緩和と政府も中央銀行もできることはなんでもやってきた。

でも、財政は財源がなくなれば、そこでお終いとなり、金融緩和も魔法の杖ではなく、限界があるはずだ。

株式市場が上昇したのは、単純に二つの要因があった。

ひとつは、早期の景気回復期待。

もうひとつは、金融緩和で金利が下がり、株式の投資妙味が拡大した。

この二つの要素のうち、景気回復には徐々に疑問の声が大きくなってきている。

V字回復は期待できそうにないことがわかってきた。

二つ目の要素は、NSDAQの高値更新で過熱感が大きくなってきている、もう金融緩和マジックも限界に来ていると見える。

相場全体は、これから始まる四半期決算の動向次第といえるのではないだろうか。

期待が剥げ落ちるのか、それとも、予想外に内容が良いのか。

いよいよ見極めの時期が来たといえそうだ。

さて、前置きは長くなったが、日本のIPO市場は活況を呈しているといえるだろう。

6月に再開したIPOだが、DX銘柄が多く、初値は高騰し、初値以降も出来高が多く、個人投資家の動きが活発となっている。

そんな中、本日は、Speee(4499)が上場する。

JSQへの上場だが、資金調達額が32億円と大きく、前場に初値が付くと予想するが、初値以降の株価の動きに注目したい。

売に押されるのか、売を吸収していくのか。

事業内容からすると新鮮味はないが、市場の流れを見るのに良いサイズの銘柄となる。

日経平均株価のほうは、米国ダウの下落の流れに沿った動きとなるだろうが、IPOだけは違った動きとなるはずなので、注目していきたいところだ。

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プロフィール

西堀敬(にしぼりたかし)

西堀敬(にしぼりたかし)

IPOジャパン編集長
(株)日本ビジネスイノベーション代表取締役
日本テクニカルアナリスト協会検定会員

1960年滋賀県生まれ。大阪市立大学商学部卒。和光証券(現、みずほ証券)の国際部、ウェザーニューズ財務部長、米国系Eコマース会社の日本法人 CFO&COO、IRコンサルティング会社取締役を経て、2011年より現職。上場会社の社外取締役を複数兼務する。
また、2002年より東京IPO編集長、2015年12月よりIPO No.1サイト『IPO Japan』を監修、編集長に就任。TV出演や経済誌への執筆、セミナーや講演会などIPOの第一人者として市場の啓蒙・発展に尽力している。

著書に『改訂版 IPO投資の基本と儲け方ズバリ!』(すばる舎)、『IPO株の本当の儲け方』(ソフトバンククリエイティブ)。


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