キオクシア上場中止が暗示するもの
2020年09月30日(水)
今年の大型IPO銘柄のキオクシアが上場中止を発表した。
米政府の取引規制によって、大口取引先である中国通信機器最大手の華為技術(ファーウェイ)の先行きへの不透明感が高まっており、キオクシアHDは「適切な上場時期を引き続き検討していく」という。
これを単なる業績の見通しが立たなくなったキオクシアの問題と考えるべきではないというのが私の見方である。
この発表日である9月28日は、関連の銘柄のほとんどが売り込まれた。
日本企業の最大の貿易相手は中国であり、その中でも、電子部品の輸出額は相当な金額である。
もし、電子部品が中国に輸出できないとなれば、これまで相場の柱であった半導体関連の銘柄にも少なからず影響が出てくることになる。
ちょうど、日本の株式市場は、9月の配当取りが終わり、好材料がなく、米国では大統領選挙もテレビ討論会が始まり選挙戦は佳境にはいってきて、どちらが勝つかわからないという状況だ。
本日の日経平均株価も先行き不透明感から後場に急落し▲353.98円で引けた。
3月安値から6か月間にわたり上昇してきた日本株であるが、ここに来て上値が重い展開が続いている。
4-6月期の企業業績が底打ちしたことは間違いないが、株価の戻りほど業績も戻るスピードが速いかと言えば、そこはなかなか難しいのではないだろうか。
あと、1か月もすれば、上半期の業績が発表されて、下期の見込みも出て来る。
果たして、市場の予想通りに回復するという予想を出してくるのか、それとも、回復は再来年に持ち越されるか、結果が出るまでは、上値を追うことは難しい展開となりそうだ。