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IPO銘柄で配当取り

2020年09月26日(土)

IPO銘柄で配当取り、と書くと、そんな銘柄あるの? と思う人が多いはずだ。

3月決算銘柄で9月末に配当の権利を取るには、9月28日が最終売買日となる。 週明けの月曜日がワンチャンスとなる。

東証1部、2部に上場した銘柄はほとんどが通期では配当を出す見込みだが、9月末となると限られてくる。

その中でも、配当+優待もあって、株価が公開価格よりも安くなっていて、なおかつ、増収増益の銘柄がある。

それは、雪国まいたけ(1375)だ。
https://ipojp.com/schedule/details?id=1375

この銘柄は売出しだけで447億円もあり、IPOで株を買われた方は、需給に押されて、公開価格2200円、初値が2100円、そして昨日は2000円割れまで落ち込んでしまった。

でも、よくよく見てみると、配当もあって、おまけに優待で同社の製品も送られてくる。 個人投資家にとっては、決して悪くない銘柄である。

そうは言っても、業績予想を達成できるのか?と心配される方も多いのではないか。

通期で83億円の営業利益予想なのに、第一四半期終わったところで、9億円しかでていない。

単純に9億円を4倍すると36億円しか行かない。 これは下方修正するんじゃないの・・・と思うのは普通だが、皆さん、まいたけ、やキノコ類は冬場の鍋の食材じゃないですか。

そうで、この会社の売上は季節性があって、冬場に売上が伸びるんです。 

え、そんなこと知らない!と言う人も多いかもしれないが、それはきっちりと目論見書に書いてある。

この会社の業績は、先行逃げ切り型ではなく、年後半に追い上げていくタイプだ。

9月28日の配当の権利取りをひとつの転機として、見直し買いが入る可能性もあるだろう。

第2四半期以降の業績動向をきっちりと見ていきたいところだ。

最後に、この相場、市場関係者は超強気だが、ちょっと不安を感じる。 

9月末の配当取りの動きが一巡しても、まだ強ければ本物かもしれないが、市場全体が、第2四半期の業績、そして、通期業績が出るまでしばらく様子見になるかもしれない。




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プロフィール

西堀敬(にしぼりたかし)

西堀敬(にしぼりたかし)

IPOジャパン編集長
(株)日本ビジネスイノベーション代表取締役
日本テクニカルアナリスト協会検定会員

1960年滋賀県生まれ。大阪市立大学商学部卒。和光証券(現、みずほ証券)の国際部、ウェザーニューズ財務部長、米国系Eコマース会社の日本法人 CFO&COO、IRコンサルティング会社取締役を経て、2011年より現職。上場会社の社外取締役を複数兼務する。
また、2002年より東京IPO編集長、2015年12月よりIPO No.1サイト『IPO Japan』を監修、編集長に就任。TV出演や経済誌への執筆、セミナーや講演会などIPOの第一人者として市場の啓蒙・発展に尽力している。

著書に『改訂版 IPO投資の基本と儲け方ズバリ!』(すばる舎)、『IPO株の本当の儲け方』(ソフトバンククリエイティブ)。


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