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資本家になれるか

2021年03月30日(火)

本日の日経新聞2面の記事が目に留まった。

迫真の個人が揺らす市場。

米国の個人向け給付金が株式市場に投入されて、一攫千金を狙うにわか個人投資家を多く生み出しているという。

記事は最後に、投資を投機にせず、富を築く「資本家」になれるかが問われる、と締めくくっているが、株式投資をする個人投資家がすべて渋沢栄一のようになるのはしょせん無理なことで、相場が良いと群がり、相場が悪くなると撤退する、それが個人投資家というものであることは歴史が証明している。

個人投資家がそこから一歩抜け出ることができるかどうか? 

日経新聞の投資情報面にモダリス株をロックアップ前に売却した得た資金を会社に返金する個人投資家の記事がある。 個人投資家として著名な片山晃氏のことだ。

片山氏は元手65万円を株式投資で140億円にした辣腕投資家だが、ベンチャー投資も行っており、投資で稼いだお金を世の中のために使いたい、と言っている。

私は、株式市場がカジノ化してもかまわないと思っているが、そこで得たお金を生きた形で使っていただきたいと思う。

片山氏のような投資家が増えれば、投資家から資本家になることができるということだろうが、たとえ大金を手にしたとしても世の中に社会還元する投資家、資本家、企業経営者が何人いるのだろうか。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO62834440Q0A820C2000000/

格差社会はどんどん広がっているが、貧富の差が大きくなればなるほど、どっちサイドにいても生きにくい世の中になることは明白だ。

なんとかこの流れを止めることができないものかと考えると、個人レベルではまず自らが富を得るという行動にならざるえをえないのかもしれない。

株式市場の存在が貧富の格差を縮めることに役立つなら、それもまたひとつの意味あることかもしれないと思った朝でした。

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プロフィール

西堀敬(にしぼりたかし)

西堀敬(にしぼりたかし)

IPOジャパン編集長
(株)日本ビジネスイノベーション代表取締役
日本テクニカルアナリスト協会検定会員

1960年滋賀県生まれ。大阪市立大学商学部卒。和光証券(現、みずほ証券)の国際部、ウェザーニューズ財務部長、米国系Eコマース会社の日本法人 CFO&COO、IRコンサルティング会社取締役を経て、2011年より現職。上場会社の社外取締役を複数兼務する。
また、2002年より東京IPO編集長、2015年12月よりIPO No.1サイト『IPO Japan』を監修、編集長に就任。TV出演や経済誌への執筆、セミナーや講演会などIPOの第一人者として市場の啓蒙・発展に尽力している。

著書に『改訂版 IPO投資の基本と儲け方ズバリ!』(すばる舎)、『IPO株の本当の儲け方』(ソフトバンククリエイティブ)。


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