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初値維持が難しい地合いに

2021年09月29日(水)

ここから年末にむけてIPOの数はかなり増えそうだ。

ここまで承認も入れて85社となっているが、11月、12月でプラス30社超は出て来る予定だ。

投資家にとって、勢いのあるIPO株に投資したくなるが、初値が付いて、上場当日はかなりにぎわうが、あっという間にその勢いは次の銘柄へと移っていく。

そして、上場日であっても、初値を維持することは至難と言える。

9月28日は4銘柄がIPOした。

初値を維持したのは1銘柄だけだ。

4銘柄ともに資金吸収額が10億円未満で、需給は決して悪くないはずだが、すぐに値崩れしてしまう。

まあ、長期投資家にすれば、早く値が崩れてくれたほうが、投資のチャンスがあるというものだが、この背景を考えてみると、新興株式市場に投下されている資金量がやや減少しているのではないか。

大型株のほうが、動きやすい地合いにあると言えるからだろう。

ここから11月上旬に向けては、大型株の決算発表が続く、上方修正期待銘柄もそれなりにある。

もし仮に期待外れであっても新興株のように大崩れはないので、どちらかと言えば、大型株にベットするほうが安心感があると考えている投資家が多いのかもしれない。

だが、忘れてはいけないのは、成長性だ。 

新興株の利益成長率は半端ない。

利益が毎年倍々ゲームもあり得る。

初値が維持できない銘柄で成長性が期待される銘柄を見つけることにこそ株式投資の醍醐味があるはずだ。

投資と投機を混同しないで、是非、皆さんには投資を実践していただきたい。

そのためにも企業業績に注目し、利益の変化こそが株価の命であると考えていただきたいものです。

新興株も日々決算発表しているので、IPOジャパンの開示情報を使ってみてください。

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プロフィール

西堀敬(にしぼりたかし)

西堀敬(にしぼりたかし)

IPOジャパン編集長
(株)日本ビジネスイノベーション代表取締役
日本テクニカルアナリスト協会検定会員

1960年滋賀県生まれ。大阪市立大学商学部卒。和光証券(現、みずほ証券)の国際部、ウェザーニューズ財務部長、米国系Eコマース会社の日本法人 CFO&COO、IRコンサルティング会社取締役を経て、2011年より現職。上場会社の社外取締役を複数兼務する。
また、2002年より東京IPO編集長、2015年12月よりIPO No.1サイト『IPO Japan』を監修、編集長に就任。TV出演や経済誌への執筆、セミナーや講演会などIPOの第一人者として市場の啓蒙・発展に尽力している。

著書に『改訂版 IPO投資の基本と儲け方ズバリ!』(すばる舎)、『IPO株の本当の儲け方』(ソフトバンククリエイティブ)。


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