「2016年のIPOが始まる」
2016年01月26日(火)
年初から大荒れの株式市場であるが、今年もIPOの第一号が承認された。
2015年のIPOは92社であった。そして明けて2016年、今年こそは100件を超す!と証券界は息が荒いが、このような市場環境では、おそらく90社前後に落ち着くのではないだろうか。
そして、今年の第一号は、はてな(東証マザーズ3930)であるが、投資家にとっては年初第一号としてはこのうえない銘柄になるのではないだろうか。
まず、2000年以降の年初第一号のIPOの初値を見ると、初値が公開価格を割り込んだ銘柄は皆無であった。どのような事業を展開する企業であっても年初の第一号だけは特別ということだ。
業界では初物はご祝儀相場で高くなるともいわれるが、今年の、『はてな』は、初値はもちろんこと、初値が付いた後のセカンダリーにおいてもかなり買い進まれる条件が揃っている。
私の著書、IPO投資でも書いているが、上場市場が東証マザーズ、そして、資金調達額が約5億円と少額でIT企業となれば、買い上げられることは間違いないといえそうだ。
さて、では、2016年のIPOで注目銘柄をひとつあげておこう。
2016年の大型IPOと言えばJR九州が目玉となりそうだ。
JR九州のHPを見ると、「株式上場の実現」と書かれており、2016年の株式上場は既定路線と言っても過言ではない。
会社のHPにある計画によると、今期は経常利益が300億円目標とある。 上場しているJR各社のバリュエーションからすると、時価総額は経常利益の9~11倍となっているが、PBRでみると各社とも約2倍の水準となっている。この二つの要素を組み合わせると、時価総額は3000億円~1兆5000億円と幅の広いレンジとなる。
JR九州はインバウンド効果もあって、目一杯のバリュエーションまで買われている上場JR各社よりもかなり低い水準で上場してくると見たほうが良い。おそらく、1兆円に届かない時価総額の水準が目安となるのではないだろうか。
JR九州以外にも、数多くのベンチャー企業の名前が挙がっている。2016年、今年もIPOに注目していきたい。
IPOジャパン編集長 西堀敬