東証再編で
2022年04月05日(火)
今週から始まった東証の新市場区分、初日は事なきを得てスタートした。
だが、ここに至るまで、昨年末から、奇妙な動きとなっている。
プライム、スタンダード、グロース市場を選択した企業全体の株価はすべて下がっているが、東証1部からスタンダード市場を選択した企業の株価だけが上がっている。
なぜだろうか?
今週の東洋経済が「東証沈没」という見出しで特集している。
東証の市場区分が実態経済に即していないことかが、市場ごとに指数にすると下落基調にあるということではないか。
そもそも日本の上場企業数は多すぎると言われている中にあって、上場企業のほとんどがプライム市場に上場しているなんてありえないということを示唆しているのではないだろうか。
今回、東証1部からスタンダード市場へ移行した企業群は、上場とはなにか?をまともに考えた企業のはず。
CGCにがんじがらめにされた企業経営に「NO」を叩きつけたわけだ。
私の若いころは、就職するなら、東証1部上場企業、が良いと言われた時代。
いまは、東証1部、名を改め、プライム上場企業なんて掃いて捨てるほどある、企業規模も小さく、10年、20年後も生き残れるかどうかも怪しいわけで、学生の就活でも必ずしも人気があるとは言い難い。
経営者のミエで東証1部上場を果たし、そして、プライムを選択した企業経営者が多いのではないか。
そんな企業群に魅力を感じる投資家が多くいるとは思えない。
東証は日本の企業経営者の心を忖度せずに、純粋に投資家に向き合って、市場再編を強化すべきである。
そして、企業は、ハードルを上げられても、上げられても、それに食らいつくところだけが、プライム市場に残ればよい。
東証の市場再編など関係なく、我が道を行く企業はスタンダードで十分ではないか。
そしてもっと言うなら、グロース市場に留まれば、経営の自由度が高く、上場メリットを享受しながら、CGCに縛られないはずである。
グロース市場上場のまま時価総額が1兆円を超すような企業が出てくれば、東証グロース市場もナスダックと肩を並べることができるかもしれない。