日本生命の動き
2022年04月06日(水)
今朝の日経1面の記事で、日本生命が企業年金の予定利率を1.25%⇒0.5%へと下げるという。
預かって運用している金額は約5.6兆円、間違いなくここ10年近くは逆ザヤではなかったかと思う。
日本の国債の利回りが0%水準になって5年以上が過ぎている。
この間も1.25%払い続ける日本生命の財務体力はすばらしいとしかいいようがない。
もちろん、国債だけで運用しているわけではないと思うが、元本毀損あってはいけない資金だけに安全な資産での運用しかできないはず。
だが、ここに来て6年間受け入れを停止していた企業年金を4月から再開するそうだ。
逆ザヤになるならたとえ0.5%であっても受け入れないはずだが、受け入れ再開ということは、いよいよ日本も利上げモードに入ると見込んでいるではないだろうか。
日銀の黒田総裁の任期も1年を切ってきたことで、頑なに金融緩和を続ける必要はなく、デフレからインフレの時代が到来してきたことを証左になる日本生命の動きではないかと思う。
我々はこの動きで悟らなければならないことは、インフレの到来で、世の中何が変わるのか?ということだ。
身近なところでは、住宅ローンの金利が上がりつつあるということ、変動金利で年利0.5%程度だったのものが、気が付いてみたら1%に上がるかもしれないし、1.5%に上がるかもしれないということ。
住宅ローンの返済負担が大きくなるということは、同じ年収でも、買える住宅の価格は低くなるということ。
つまり住宅・マンションメーカーは、同じ価格での販売は難しくなる、でも資材価格の高騰などで、安く売るわけにはいかず、在庫が出てくる可能性もあるというところに繋がる。
一方で、住宅ローン金利の上昇で、返済に困る人も出てきて、競売物件が増えて中古不動産の需給が緩むかもしれず、新築は売れないが、中古は売れるということになるかもしれない。
デフレ⇒インフレ、ほどほどで止まればいいが、いったん動き出すとちょうど良いところでは止まらないのが世の中の常であるので、ちょっとこの先しばらくは身構えておくべきかもしれない。
株式市場にとっては、金利上昇はアゲンストの風だが、業種業態によっては、フォローウィンドになる。
風が吹けば桶屋が儲かる、で考えていきたいものだ。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB05CQW0V00C22A4000000/