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企業物価がとんでもないことに

2022年04月13日(水)

企業の物価が高騰していますが、それに引き換え消費者物価はさほど上がていません。

企業物価:+9.7%
消費者物価:+0.9%

このギャップが製造業にとって14兆円の減益要因になるとの予想が出ています。

企業の決算発表が続いていますが、今期の業績予想が「増収↑減益↓」となっている企業が出てきています。

14兆円ものギャップがあるようだと、当然のことながら、価格転嫁できなければ、企業の利益を圧迫するのは当然です。

マクロで見て、企業の収支が減益基調となれば、株価にも影響しそうです。

東証の時価総額が650兆円、PERで割り戻すと、利益が50兆円程度です。税引引き後利益なので、税引き前だと単純に70兆円程度でしょうか。

その利益が14兆円なくなるとしたら、税前利益で55兆円、税引き後で約40兆円となり、2割減益です。

PERが変わらないとすると株価も2割下がってもしかるべきという計算です。

実際の株価の動きは、こんなに単純ではないと思いますが、いずれにしても株価の下押し圧力になることは間違いありません。

でも、もしこの14兆円が個人への販売価格に転嫁されたら、これはこれで一気に消費マインドを冷やしていくはずです。

どちらに転んでも日本経済にはネガティブなファクターであることは間違いなさそうです。

この難局を企業も個人もどのように切り抜けるか、第一次オイルショックなどの歴史に学ぶことができれば良いのですが、時代が違い過ぎて、学びようもないかもしれません。

人の知恵で切り抜けることができるかどうか、個々人の知恵が試される局面が到来したといえそうです。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB11CPC0R10C22A4000000/

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プロフィール

西堀敬(にしぼりたかし)

西堀敬(にしぼりたかし)

IPOジャパン編集長
(株)日本ビジネスイノベーション代表取締役
日本テクニカルアナリスト協会検定会員

1960年滋賀県生まれ。大阪市立大学商学部卒。和光証券(現、みずほ証券)の国際部、ウェザーニューズ財務部長、米国系Eコマース会社の日本法人 CFO&COO、IRコンサルティング会社取締役を経て、2011年より現職。上場会社の社外取締役を複数兼務する。
また、2002年より東京IPO編集長、2015年12月よりIPO No.1サイト『IPO Japan』を監修、編集長に就任。TV出演や経済誌への執筆、セミナーや講演会などIPOの第一人者として市場の啓蒙・発展に尽力している。

著書に『改訂版 IPO投資の基本と儲け方ズバリ!』(すばる舎)、『IPO株の本当の儲け方』(ソフトバンククリエイティブ)。


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