米利上げで
2022年09月25日(日)
先週、米FRBが政策金利を0.75%上げた。
市場の予想通りであったが、年明けには利下げに動くのではないかとの市場の期待は雲散霧消した。
FRBは意外でもないが、かなりタカ派であることが認識された。
米株式市場は利上げ当日ではなく、時間差で大きく反応した。
そのきっかけになったとは言えないが、日本の財務省、日銀の為替介入も市場には衝撃だった。
「利上げ」で株価が下がるのは当然といえば当然だが、このままどこまで利上げが続くのか、いつまで続くのかが不透明になってきたことが株式市場が嫌気している大きな理由ではないか。
ドル円為替レートも、介入で止まるということではないぞ!ということをそのうち知ることになるだろう。
では、日本の株式市場はそうなるだろうか?
日銀は利上げはしないと黒田総裁は言い切る。
これ以上の円安もあるとは思うが、145円が防波堤との認識が市場参加者にはできたかもしれない。
この前提に、おそらく円安は日本の全上場企業の利益を合計すればプラスに作用しそうだ。
日経平均株価のPERは今の株価水準だと割安といえる。 もちろん、日本円の金利水準があってのことだ。
円を借りて日本の資産に投資することは非常に魅力的ではないだろうか。
いまから40年近い前のことだが、プラザ合意で円高になったが、それをきっかけにバブルが起こった。
外国人投資家は日本の株式・不動産を持っていれば、値上がりがなくても、円高になれば利益が出たということだ。
つまり、FRBの利上げの終了が見えてくると、円安→円高になり、いまこの水準で日本の資産を買っておけば、為替で儲けることができるということだ。
ということで、外国人の日本の不動産投資が活況を呈しているということだ。
円高になるのは、FRBの利上げ停止もひとつのきっかけになるが、日銀の政策が変われば、ドル円が反転する可能性もありうる。
黒田日銀総裁の任期も余すところ6か月、年末以降は、いまの強烈なハト派発言は影を落とすかもしれない。
そうなってくると、市場の思惑が膨らみ、日米金利差の先行きの見通しが変わってくるかもしれない。
日銀が米国のような強烈な利上げに動かなくて、たとえ0.1%でも利上げを許容すれば、円安に傾いた流れは完全に止まるだけでなく、反転することは間違いないだろう。
では、円高で日本企業の利益は大幅に減るかといえば、そうはならないと考える。
輸出企業の利益は落ちるが、輸入企業の利益は大幅に増えると考えておくべきだ。
そんな転換局面がそう遠くない先にやってくるとみていたほうが良いだろう。