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IPO株投資とは

2023年12月12日(火)

12月は15社がIPOするが、過去5年間を見ると、毎年20-35社がIPOしている。

IPOの件数でみる限り、需給面で崩れる理由はない。

だが、初値は凸凹となりそうだ、

本日のアウトルックコンサルティング(5596)の初値は-8%、その後も売り込まれている。

資金吸収額が38億円とやや大きいが、ここまで崩れるほどの大規模でもない。

業績面で見ても、この先崩れるようなビジネスモデルでもない。

単にファンドのイグジットだということ、発行済株式の半分以上をファンドが売り出していることが個人投資家に嫌気されただけだ。

もうひとつの銘柄、ブルーイノベーション(5597)の初値は+27.71%、初値が付いた後の株価も堅調だ。

ドローン関連というだけで人気化したということだろう。 

もちろん資金吸収額も13億円と少なく、需給はタイトであるのも間違いない。

だが、当面赤字が続くことは間違いなく、ドローンビジネスでまともに儲かっているところはないはずだ。

飛び乗り、飛び降りだけが、IPO株投資なら、ドローン銘柄を上場日にデイトレするのも悪くない。

私なら、長期的にNISAで100株仕込むなら、前者の株が売り込まれているところで拾っておきたいものである。

IPO株投資に関する書籍が多く出ているが、公募・売出し株を手に入れて、初値で売れば儲かる、これに終始するような内容のものが多いが、このために本を読む必要などなくて、単に多くの証券会社でブックビルディングに参加するだけでいいはずだ。

資産運用、老後の資金作りにNISAを使って、自らの知恵でやっていきたい人は、もう少し、深くIPOを考えるべきである。

年間に100銘柄近くIPOがあるとはいえ、抽選に外れたら、その銘柄への投資チャンスはなくなるのはあまりにも寂しいものである。

IPO株への投資で絶対勝者になるには、もっともっと知恵を働かせて、時間を使って、木(個別)と森(全体相場)を見極めるべきである。

IPO株投資の本を今年は何冊も買ったが、ちょっと残念な内容だったので、今日はこんな内容になりました。




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プロフィール

西堀敬(にしぼりたかし)

西堀敬(にしぼりたかし)

IPOジャパン編集長
(株)日本ビジネスイノベーション代表取締役
日本テクニカルアナリスト協会検定会員

1960年滋賀県生まれ。大阪市立大学商学部卒。和光証券(現、みずほ証券)の国際部、ウェザーニューズ財務部長、米国系Eコマース会社の日本法人 CFO&COO、IRコンサルティング会社取締役を経て、2011年より現職。上場会社の社外取締役を複数兼務する。
また、2002年より東京IPO編集長、2015年12月よりIPO No.1サイト『IPO Japan』を監修、編集長に就任。TV出演や経済誌への執筆、セミナーや講演会などIPOの第一人者として市場の啓蒙・発展に尽力している。

著書に『改訂版 IPO投資の基本と儲け方ズバリ!』(すばる舎)、『IPO株の本当の儲け方』(ソフトバンククリエイティブ)。


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