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実質所得マイナス

2024年05月10日(金)

新聞報道によると、日本の実質賃金は24カ月連続でマイナスだとか・・・・あれ、4月に昇給しているのにマイナス?と思う人がほとんどなのではないか。

名目賃金は実額なのでおそらくここ2年で上がった人がほとんどではないか。

実質賃金は物価上昇分を考慮しているので、インフレで物価上昇している分だけ計算上マイナスしていることになる。

わかりやすく言えば、24カ月間同じ消費行動をしてみると、残るお金が24カ月前よりも少なくなると考えると理解できるのではないか。
ここをどう埋め合わせるのか? 

副業する、でもいいが、毎月手残りがあるなら、やはり資産運用、インフレ率に連動するような対象に投資するしかないだろう。

金利が戻ってきたとはいえ、金利<インフレ、なので、預金では追いつかない。

インフレに最も連動しているのは、身近なところでは名目で動く株式ということになりそうだ。 

新NISA制度もある。 

何に投資するかは知恵が必要だが、一般論だけえいえば、この制度の対象となるものに資金を移していくのがよさそうだ。

元に戻って、実質賃金マイナスの背景には、円安、資源高があると言う。

資源高はどうしようもないが、円安は阻止できる可能性はあるだけに、介入も含めて、政府、日銀はよくよく考えていただきたいものだ。

だが、NISA制度で積み立て投資をしている、その対象が海外株式への投資がかなりの割合を占めているという。

今後、日本は利上げ、米国は利下げとなってくると、円高という流れになりそうだ。

この円高の流れが始まると、あっという間に10円以上は動くことなるだろう。

今年の年初からNISAで海外証券への投資を始めた人にとっては逆風となるに違いない。

しばらくは含み損を抱えた形になるかもしれないが、このNISAの制度は、年金と同じように長い目で見てこそ価値がある。

1年、2年では実を結ばないかもしれないが、10年、20年、30年と長ければ長いほど、やっててよかったとなるにちがいない。

実質賃金がマイナスになる中にあって、少しでも手残りがあれば、是非ともNISA制度を活用すうることをお勧めしたい。

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プロフィール

西堀敬(にしぼりたかし)

西堀敬(にしぼりたかし)

IPOジャパン編集長
(株)日本ビジネスイノベーション代表取締役
日本テクニカルアナリスト協会検定会員

1960年滋賀県生まれ。大阪市立大学商学部卒。和光証券(現、みずほ証券)の国際部、ウェザーニューズ財務部長、米国系Eコマース会社の日本法人 CFO&COO、IRコンサルティング会社取締役を経て、2011年より現職。上場会社の社外取締役を複数兼務する。
また、2002年より東京IPO編集長、2015年12月よりIPO No.1サイト『IPO Japan』を監修、編集長に就任。TV出演や経済誌への執筆、セミナーや講演会などIPOの第一人者として市場の啓蒙・発展に尽力している。

著書に『改訂版 IPO投資の基本と儲け方ズバリ!』(すばる舎)、『IPO株の本当の儲け方』(ソフトバンククリエイティブ)。


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