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円安と補正予算

2025年11月27日(木)

今年も余すところ〇〇日とカウントダウンの季節になってきた。

日経平均株価がザラ場中に高値をつけたの11月4日、それから今週は4週目で日柄的には調整が終わる時間軸かもしれない。

米国株式市場は、FRBの利下げを見込んだトレードで調整局面を脱しようとしているが、この流れが日本にも好影響を及ぼしているともいえる。

日本国内では、中間決算も一巡し、業績は株価に織り込まれたはずだ。

ここからは、日銀が12月に利上げに踏み込むかどうかが重要となるだろう。

植田総裁は前回の記者会見で、来年の春闘による賃上げ状況を見極めながら金融政策を考えると発言している。

本日の日経新聞3面で来年の賃上げ幅、高水準維持の記事が出てきた。

日銀の利上げを催促するかのような記事ではないだろうか。

さて、国会では補正予算の議論が進んでおり、国民生活を守るための予算が軸になっている。

要は物価高で苦しむ国民の負担を少しでも和らげようとというものだが、そもそのなぜ物価高になっているのか?についての議論は少ない。

金融政策から来る「円安」が物価高の大きな背景になっているはずだが、その円安を是正するような対策については議論が少ないことが気になる。

日本の実質金利はマイナスがずっと続いている。

この実質金利をゼロにするには、物価上昇率まで利上げするしかないのだが、そこに踏み込めない日銀が円安を止められない大きな原因ではないか。

いつまでもたってもデフレマインドがある日本人だが、日銀の審議委員こそデフレマインドの塊のような人種ともいえる。

もし仮に、利上げをすれば円安は止まるのか?と言えば、そうそう簡単ではないかもしれない。 

デジタル赤字、資源、食料品は輸入に頼っており、外貨を買わないといけないマクロ要因は取り除かれない。

だが、皆さんの預金通帳に利息がついていることに気が付けば、円預金も悪くは無いと思う人もいるはずだ。

株式市場もインフレで株価は自然と上がるとなれば、何もオルカンのETFを毎月積立てで買わなくてもよくなるのではないか。

お金の流れを、円→ドル、を少しでも止めることができれば、それが円安抑止となるはずである。

円安が止まって、10円でも円高になれば、来期の予算で、税金を日本の成長のために振り向けることができるのではないか。

輸出企業が儲かり、国民の負担が増える、この円安の構図を一日も早く止めることが肝要ではないだろうか。

ただ、円高になると、そこは輸出企業にはネガティブなところがちょっと気にはなるが、逆に内需株にはポジティブなので、行ってこいで投資家は考えたほうが良いだろう。







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プロフィール

西堀敬(にしぼりたかし)

西堀敬(にしぼりたかし)

IPOジャパン編集長
(株)日本ビジネスイノベーション代表取締役
日本テクニカルアナリスト協会検定会員

1960年滋賀県生まれ。大阪市立大学商学部卒。和光証券(現、みずほ証券)の国際部、ウェザーニューズ財務部長、米国系Eコマース会社の日本法人 CFO&COO、IRコンサルティング会社取締役を経て、2011年より現職。上場会社の社外取締役を複数兼務する。
また、2002年より東京IPO編集長、2015年12月よりIPO No.1サイト『IPO Japan』を監修、編集長に就任。TV出演や経済誌への執筆、セミナーや講演会などIPOの第一人者として市場の啓蒙・発展に尽力している。

著書に『改訂版 IPO投資の基本と儲け方ズバリ!』(すばる舎)、『IPO株の本当の儲け方』(ソフトバンククリエイティブ)。


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