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2016年09月13日(火)

日米の金融市場のボラティリティが高くなってきている。

そして、ここに来てはっきりとしてきたことがある。

米国の利上げ観測で先週末の米国株式市場は大きく売り込まれた。

つまり「利上げ→株安」だということだ。 

当たり前のことが、利上げ=好景気→株高とう構図で株価が上昇してきたが、利上げは株式にとっては天敵であることは言うまでもないことで、それがはっきりと出てきたと言う事だ。

今後、米利上げで、たとえ円安になっても、米国株式が売り込まれれば、日本株にも悪影響を及ぼすことは間違いない。

つまりリスクオフモードになれば、日本企業が円安で利益が出ると言っても、投資家は買いに動かないということだ。

そして、昨日の日本株の大幅な下げに買い向かった日銀がいた。

733億円のETF買いもリスクオフモードには、砂漠に水を撒くようなもので何の役にも立たなかったということだ。

どうせ買うなら、一気に2000億円買うとかしないかぎり株価の下げ局面には焼け石に水というものである。

つまり、日銀のETF買いはPKO的な要素は低いと言わざるを得ない。

年初からの日本株の下げ局面においても日銀はコンスタントにETFを買ってきたが、外国人の売りには勝てなかったということではないか。

この先の景気動向次第で日米の金融政策は変わる可能性も高く、米利上げ、日本も金融緩和、というシナリオに傾いたポジションを持つことはこの局面においてはリスクが高いと言えるだろう。

9月21日が過ぎれば方向性が出る。 まず、そこまで見極める時間だと考えたほうが良いのではないか。

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プロフィール

西堀敬(にしぼりたかし)

西堀敬(にしぼりたかし)

IPOジャパン編集長
(株)日本ビジネスイノベーション代表取締役
日本テクニカルアナリスト協会検定会員

1960年滋賀県生まれ。大阪市立大学商学部卒。和光証券(現、みずほ証券)の国際部、ウェザーニューズ財務部長、米国系Eコマース会社の日本法人 CFO&COO、IRコンサルティング会社取締役を経て、2011年より現職。上場会社の社外取締役を複数兼務する。
また、2002年より東京IPO編集長、2015年12月よりIPO No.1サイト『IPO Japan』を監修、編集長に就任。TV出演や経済誌への執筆、セミナーや講演会などIPOの第一人者として市場の啓蒙・発展に尽力している。

著書に『改訂版 IPO投資の基本と儲け方ズバリ!』(すばる舎)、『IPO株の本当の儲け方』(ソフトバンククリエイティブ)。


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