株式市場はリスクオンへ
2016年10月29日(土)
日米欧の景況感が改善してきている。
6月末のBREXITで世界景気がどこまで落ち込むかと心配していた投資家が多かった。
いまから振り返れば、BREXITの結果が出たところが世界景気の総悲観のボトムであったようだ。
その後の株式市場は、BREXITが起こったことで、米国大統領選挙においても、最悪の結果が出るのではないかとの懸念から、様子見が続いていた。
一方、日米欧の金融当局がどう動くか? 米国は利上げに動くのか? 日銀は更なる金融緩和を進めるのか? ECBがどうするのか?
いろんな思惑があって、市場参加者は身動きが出来ない状況が夏場から続いてきたが、そろそろ霧も晴れそうな感じだ。
まずは、米国大統領選挙、クリントン女史がベストな選択かどうかは別として、最悪のトランプ大統領誕生は無くなりそうだ。
そして、世界最大の経済規模を誇る米国景気も減速するかと思われたが、雇用状況はいまもなお好調である。
この先は年末商戦があるため、10月、11月の米国雇用統計が悪化することは考えられない。
となれば、12月にFRBは利上げに動くことは間違いないとの思惑が膨らむ。
結果的にFRBが利上げするかどうかは別として、利上げの思惑が膨らむことで、ドル円は円安ドル高に傾くことになる。
ちょうど、日本においては3月決算企業の中間決算発表時期だが、ここまで円高が進んでいるにもかかわらず、想定外の業績の下方修正を出すところは少なく、おおよそ予想の範囲内の決算発表内容となっている。
そして、通期の業績予想の前提となる為替レートがドル円で100円というところが多くなってきている。
しかしながら、現実のドル円レートは105円まで円安になってきた。
もし、12月に向けて110円に近づくようなことになれば、業績の下方修正→上方修正期待から輸出関連の日本株は買われることになるだろう。
徐々に日本株はリスクオンになってきているのではないだろうか。
10月28日の日経平均株価は17446円41銭、PERは予想ベースで14.81倍である。
リスクオンになった時にPERはアベノミクスが始まってからを見ると約16倍強まで買われている。
仮にいまのまま16倍まで買われるとなると、17446円41銭÷14.81=1178.02円X16倍=18,848円となる。
ここに上方修正期待が入ってくると、1万9000円も見えて来るのではないだろうか。
では、いつまで、このリスクオンが続くのか?
12月13日~14日に米FOMCが開催される。
もし、ここで利上げがあるとすると、おそらく、材料出尽くしとなるのではないだろうか?
ただ、12月も中旬になると、欧米はクリスマスシーズンとなり、市場参加者が少なくなる。
そして、例年、12月は市場は穏やかで荒れることはない。
私の見方は12月が今回のリスクオン相場の天井となると考えている。
米国の利上げは、株式市場にとってはネガティブである。
たとえ、円安になったとしても、世界のマザーマーケットである米国市場が変調すれば、一気にリスクオフモードになる。
金利があがれば、株価は下がる、これは当たり前のことである。
バーナンキショックが起こったときのことを思い出してもらえば明白である。
そろそろ金融緩和は終わると市場が感じたときが一番大きなショックが市場に走った。
そして今は利上げが現実になっている。 ショックはないが、ジワジワと株式市場にはボディーブローのように効いてくるはずだ。
今日はここから先、年末までの相場の見方を書いた。
11月はリスクオンで多少の調整はあるかもしれないが、右肩上がりの株価チャートになるかもしれないが、12月の中旬以降は勢いで上がることはあっても、そこは利食いの時期であることを忘れてはいけない。
クリスマス、年末の軍資金稼ぎには絶好の機会が訪れたと言えそうだ。