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3月決算企業のIPOはいつまで続く

2016年03月06日(日)

3月のIPOは22社となりました。

2000年以降では、2006年3月の23社に次ぐ数になりました。

では、なぜ3月はIPOが多くなるのでしょうか?

それは単純で、3月決算企業は3月末までにIPOするのが通例だからです。

ですが、3月決算企業のIPOのデッドラインは、株主総会開催日の1日前までです。

具体的には、3月末+2か月もしくは3か月程度の期間は、3月決算企業が上場できるということです。

株主総会は決算内容を株主に承認してもらうイベントです。 この株主総会が終わらないと、決算数字は固まっていても、法的には決算数字は確定しないことになります。

上場申請するときには、直前期と呼ばれる決算数値を使います。この直前期の決算数値が更新されてしまうと、また申請書類を再作成しないといけません。 

なので、株主総会が終わるまではギリギリIPOが可能なのです。

具体的には、3月2日にIPOしたバリューゴルフ(3931)は1月決算企業ですが、決算日から1カ月と2日目に上場しています。

昨年の6月25日にIPOしたメニコン(7780)は3月決算ですが、決算日から2か月と25日目に上場しました。おそらく6月26日以降6月30日までの間に株主総会を開催したものと推測します。

このように決算期を跨(また)いでの上場を「期越え上場」と呼んでいます。 

昨年の3月決算企業で期越え上場したのは7社ありました。 

IPOをどうしてももう1期延ばしたく企業にはそれなりの理由があるのでしょうが、期越え上場になる理由のひとつには、予実管理で、予算通りに決算を着地させることができるかどうか、最期の最後まで審査することがあります。 

もう、何があっても、数字が動かないところまで予算と実算を詰めてしまえば、投資家を惑わすようなことはないと言えます。

ちょっと昔の話ですが、上場期の業績予想を上場間も無く下方修正する企業があったことで、取引所も主幹事証券会社も神経質になっていることが期越え上場を増やす二つ目の背景かもしれません。

いずれにしても、景気がやや陰り加減になってきている昨今ですから、4月以降も3月決算企業のIPOはしばらく続くことが考えられます。

そのように考えると、今年は6月までIPOはラッシュになるのではないでしょうか。

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プロフィール

西堀敬(にしぼりたかし)

西堀敬(にしぼりたかし)

IPOジャパン編集長
(株)日本ビジネスイノベーション代表取締役
日本テクニカルアナリスト協会検定会員

1960年滋賀県生まれ。大阪市立大学商学部卒。和光証券(現、みずほ証券)の国際部、ウェザーニューズ財務部長、米国系Eコマース会社の日本法人 CFO&COO、IRコンサルティング会社取締役を経て、2011年より現職。上場会社の社外取締役を複数兼務する。
また、2002年より東京IPO編集長、2015年12月よりIPO No.1サイト『IPO Japan』を監修、編集長に就任。TV出演や経済誌への執筆、セミナーや講演会などIPOの第一人者として市場の啓蒙・発展に尽力している。

著書に『改訂版 IPO投資の基本と儲け方ズバリ!』(すばる舎)、『IPO株の本当の儲け方』(ソフトバンククリエイティブ)。


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