調整はいつまで
2018年02月08日(木)
今週の株式市場は大混乱となりました。
日経平均株価のPERは2月7日の終値で13.59倍です。
ここのところ、PER14倍ー16倍で推移してきたこともあって、いまの水準は割安だとの意見が多いと思います。
私もこの株価水準であれば絶好の「買い場」だと思います。
ですが、いまひとつ株価のほうはリバウンドが重いですね。
この背景はいくつかあると考えています。
まず、月曜、火曜の急落で追証が発生している個人投資家がそれなりにいるじゃないでしょうか?
見切り売りを余儀なくされていることもあって、戻り売りが昨日今日と続いているかもしれません。
それに加えて、やはり、金利上昇が先進国すべてに当てはまる事象だとすれば、株価には敵でしかありません。
適温相場が長く続いたのは「低金利」だったからです。
米国→欧州→日本の順で金利が上昇してきたことで、どの水準まで金利が上昇するか見極めないといけない状態になってきました。
今回の株価急落をうけて、米国FRBが3月の利上げを躊躇するようであれば、再び、適温相場への回帰も期待できますが、そうではなくて、予定通り3月利上げとなれば、またもや市場はショックを受けるやもしれません。
それと、米国企業の業績についても減税をベースにした利益が増えているとなると実力値では伸び悩みになる可能性もあります。
特に、今回の米国減税が日本の自動車メーカーに与えたメリットは大きかったようです。ホンダが4000億円、トヨタが3000億円の利益アップになっています。 これが、来期はなくなりますので、会計上の数字とはいえ、この2社においては来期増益は不可能になるはずです。
日本企業においても、今期の数字が良すぎるが故に、来期の伸びしろは限定的となります。
この利益の増加率が下がることは、ひいては、バリュエーションにも影響してきます。
冒頭に書いた、PER14‐16倍のレンジは、二桁増益を前提にしたバリュエーションです。
これが横ばい、または、減益、となれば、PERの水準は13‐15倍に下がってもしかるべきです。
同じ利益でもPERで1倍下がるとなれば、日経平均株価でいえば、約1500円下方にぶれることになります。
そんなことで、今回のリバウンドは日経平均株価でいえば、23,500円どころがいいところかもしれません。
とはいえ、この水準から1000円以上のリバウンドは少し時間を掛けながら期待できるのではないでしょうか?
最後に、調整は、値幅と日柄、が必要です。
値幅は十分にあったので、あとは日柄ですね。 3月に入るまではもたつくと思います。
投資家が来期に目が向かうのは、3月中旬以降かと思います。
そして、市場を去るのは、GW明けくらいかと・・・。
この先は楽観だけで動くのは禁物の時間軸に入ることを念頭においてください。