リーマンショックから10年
2018年08月21日(火)
米中貿易摩擦、トルコリラの急落、等々、金融市場を揺らす要因は枚挙に暇がない状態が続いている。
これらはすべて人為的な背景によって起こっていることである。
それもたった一人の発言で国が動いているという、私が市場を見るようになってから例を見ないことである。
大国が自国優先を掲げれば、弱い国にそのしわ寄せが行くのは当然のことである。
Ameria First,それは米国民にとっては耳に聞こえは良いが、米国は米国のみで生きているわけではないことを理解しなければならない。
シームレスにつながった世界経済において、蟻の一穴がその仕組みを壊す可能性が十分にある。
米国民には見えないところで、綻びは起こり、そのしっぺ返しがかならず米国に影響するはずである。
10年前のリーマンブラザーズの破綻は記憶に浅いところであるが、景気サイクルから言えば、そろそろ、景気も下降トレンド入りする時間軸である。
そのきっかけを米国は作っていることに気が付いていないはずはない。
FRBは米国の経済指標のみをみて利上げに動いているのかもしれないが、そろそろ、木(自国)を見るだけでなく、森(世界)を見ながらのかじ取りが必要となってきそうである。
その意味では、米国FRB議長の発言は非常に重要である。
米国は年内に2回の利上げを行うのか? これを読み解くことで、日本株の先行きも占えるのではないか。
毎年 8 月にアメリカ・ワイオミング州で経済シンポジウム・ジャクソンホール会議が開催される。世界各国から中央銀行総裁や政治家、学者、エコノミストが集まり、会議での発言や合意内容は世界的に注目が集まる。
2018 年は、8月23日(木)~25日(土)の日程で行われる。
この場でのFRB議長のパウエル氏の発言に金融市場は大きく反応することがある。 日銀総裁、ECB総裁も参加するだけに世界の金融当局のコンセンサスとしての発言とも受け止められることもある。
今週末以降市場の急変には注意したいところである。