国債の利回りが上がらないわけ
2018年08月29日(水)
8月29日の日経新聞1面「モネータ」の特集記事を読むと世界の主要国の国債の利回りが上がらない理由がよくわかる。
主要22か国の年金マネーは17年末で41兆ドル(4500兆円)らしい。
低金利の中にあって、少しでも金利が高い国債に資金は向かっている。
米国があれだけ利上げしても、10年国債の利回りが3%を超えることはないのが不思議なのだが、このような背景があれば、それも納得がいく。
特に、日本は金利なんて呼べるものはほとんど存在しない。 そうなると、どうしても海外の国債や社債に日本の年金マネーも向かわざるを得ないということだろう。
日米金利差が縮小するかもしれないという憶測が出てくれば円高に向かうのではないか、と考えてきたが、実質的な金利の差がある限り、そう簡単に海外から日本に資金を戻す動きにはならないのではないだろうか。
実需のほうが、短期の投資マネーよりも強いことが実証されれば、短期マネーも動くことはないのではないか。
日銀の金融緩和がいつ終わるかわからないが、ゼロ金利水準が続くならば、そうそう簡単に円高にはなりにくいと考えるべきである。
但し、米国が利上げ打ち止めとなると、様相は変わってくるので、要注意であるが、その時は、まだ先の話だろう。