為替はどうなる
2018年10月16日(火)
ここのところ、米国の対外的な圧力が目に余る状況になってきている。
米中貿易戦争はますますエスカレートしようとしている。
日本に対しても自動車に対する関税は思いとどまったようだが、為替条項なるものを持ち出してきている。
いまをさかのぼること30年以上前の1985年9月にプラザ合意なるものがあった。
G5各国の財務大臣がNYのプラザホテルに会し、ドル安政策を決めたのである。
この当時、日米貿易摩擦が、今の米中のようにあって、米国の国民的感情を逆なでるまで発展していた。
日本と米国は為替に限らず貿易において数量制限まで行った。 その結果として、自動車メーカーは大幅に現地生産に切り替えて、いまは、貿易摩擦の種とはならなくなってきたということである。
では、今回はどうなるのだろうか?
G7の中にあって米国だけの主張が通るとは考えにくい。 あるとすれば、米国の押し付け的なドル安発言にとどまるのではないだろうか。 いわゆる口先介入である。
現実問題、ドル円だけを考えれば、日米金利差は拡大傾向にある。 お金は金利の低いところから高いところに流れるのが筋であり、その流れを止めることはできない。
また、ここのところの原油高で日本は同じ数量の原油を買うにしても良い多くのドル資金の実需が必要となる。
原油価格はこの1年で40%も上昇しており、それだけドル買い需要が高くなっていると言える。
この流れに逆らって、円高に誘導しようとしても、相当額の為替介入を行わなければ止めることはできないはずだ。
とするならば、リスクオフの円高よりも実需のドル高のほうが優勢となるのではないだろうか。
ここ1週間で1-2円の円高になっているが、この流れが続くと考えるにはやや無理があるように思える。