Market Eye

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株価急落のあとは

2018年10月26日(金)

10月2日に年初来高値をつけた日経平均株価はわずか2週間程度で3000円の急落となった。

今回の下げの背景として取り上げられていることは、何も今になってクローズアップされたものではなく、かねてからの懸念事項ばかりである。

もちろん、サウジアラビア人記者ジャマル・カショギ氏が死亡した事件などは直近の話題ではあるが、企業業績に直接影響を与えるものではない。

だとしたら、いったい何が引き金になったのか?

今月の記事にも取り上げてきたが、かねてより、10月という月の性格にあるのではないだろうか。 

ブラックマンデー、暗黒の金曜日など、株価の急落が10月に起こっている。 加えて、米国の投信の決算月でもある。

需給に加えて、10月は買いが手控えられる月なのである。

ヘッジファンドにしてみれば、薄商いの中、売り崩すには絶好のタイミングではないか。

では、この先はどうなるのだろうか。

日米ともに四半期決算も徐々に出てきてる。 先行きはともかく、足元は思ったよりも悪くない、むしろ、好業績のサプライズな内容もでてきている。

そして、月が代わると、米国中間選挙となる。 あと10日間もすれば、決算も選挙も終わり、結果はともかく霧は晴れるはずだ。

不透明、という言葉が、市場を疑心暗鬼にさせる元凶である。

その不透明感がいったんはなくなる。

年末に向けて毎年、市場は穏やかな動きとなる。

株式市場はしばらく底値を探る展開が続くのは間違いないが、それが長引くと考えすぎるのは杞憂かもしれない。

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プロフィール

西堀敬(にしぼりたかし)

西堀敬(にしぼりたかし)

IPOジャパン編集長
(株)日本ビジネスイノベーション代表取締役
日本テクニカルアナリスト協会検定会員

1960年滋賀県生まれ。大阪市立大学商学部卒。和光証券(現、みずほ証券)の国際部、ウェザーニューズ財務部長、米国系Eコマース会社の日本法人 CFO&COO、IRコンサルティング会社取締役を経て、2011年より現職。上場会社の社外取締役を複数兼務する。
また、2002年より東京IPO編集長、2015年12月よりIPO No.1サイト『IPO Japan』を監修、編集長に就任。TV出演や経済誌への執筆、セミナーや講演会などIPOの第一人者として市場の啓蒙・発展に尽力している。

著書に『改訂版 IPO投資の基本と儲け方ズバリ!』(すばる舎)、『IPO株の本当の儲け方』(ソフトバンククリエイティブ)。


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